入れ歯になる平均年齢は…?歯を失う原因と、8020を実現する方法

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日本では「高齢者=入れ歯」といったイメージが根付いています。厚生労働省・日本歯科医師会は「80歳で自分の歯を20本残せるように(8020運動)」と予防意識を高める努力を続けていますが、残念ながら、まだまだ実を結んでいるとは言えません。実際、日本生活習慣病予防協会の調査によれば、70歳以上の高齢者のうち60.1%が「常に食事の際、入れ歯を使用している」と回答しています。

参照URL:http://www.seikatsusyukanbyo.com/statistics/2013/003572.php

以上から、現状では「ある一定の年齢になると、入れ歯になる確率が高い」という状況が続いていることがわかります。そこで、こちらの記事では「入れ歯と年齢に関する基礎知識」を扱うことにしました。掘り下げたいのは、以下のような部分です。

◆何歳くらいで入れ歯になる人が多いのか
◆若いうちに入れ歯になるのは、どのような人なのか

「入れ歯になる平均年齢」からは、「何歳頃から、自分の歯を残すためのオーラルケアに力を入れるべきなのか」がわかるでしょう。そして、「若いうちに入れ歯になる理由」からは、「どのような口腔トラブルが、歯を失うことに直結するのか」がわかります。むしろ、自分の歯を守るために、この記事を役立てていただければ幸いです。

1.入れ歯になりはじめる年齢は…? 厚労省のデータを読み解く

それでは、「普通、何歳くらいから入れ歯を使いはじめるのか」を確認してみましょう。入れ歯を使い始めるのは、歯が1本、2本と失われてきたタイミングです。当初はブリッジや部分入れ歯になるでしょう。そして、大部分の歯が失われたあたりで、総入れ歯を検討することになります。

もともと、人間は親知らずを含めて32本の歯を持っています。ただ、親知らずは重要ではありません。生えない人もいますし、生えても抜歯する人がたくさんいます。つまり、32本から親知らず4本を除いた「28本」が、生えているべき歯なのです。それを踏まえて、以下のデータに目を通してください。

歯の平均本数データ
年齢層 歯の平均本数
15~24歳 28.0本
25~34歳 28.6本
35~44歳 28.1本
45~54歳 26.4本
55~64歳 23.3本
65~74歳 19.2本
75歳以上 13.3本

 

義歯の使用率データ(※数字は概数 / 「L」はごく少数)
年齢層 ブリッジ 部分入れ歯 総入れ歯
45~54歳 30% 5% L
55~64歳 50% 20% 5%
65~74歳 50% 40% 20%
75歳以上 40% 50% 40%

参照URL:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-001.html

1-1 歯を失いはじめる年齢は、40代後半から!

上図のデータを見てみると、44歳まではあまり変化がありません。歯の本数はほとんど変わっていない…ということです。「25歳~34歳」で若干増えているのは、「親知らずが生えて、歯が28本を超えた人」が出てくるからです。

さて、「45~54歳」で明確に歯の本数が減少していますが、それでも平均値は「1.7本の減少」にとどまっています。40代から50代にかけては「1~3本くらいの歯をなくす年齢」ということになるでしょう。(もちろん、個人差はありますが)

実際、義歯使用率を見ても、「45~54歳」に総入れ歯はほとんどいません。ブリッジ・部分入れ歯など、「部分的に歯を失ったときに適用する義歯」を使う人がいくらか出てくる…といった状況です。

1-2 大幅な減少がはじまるのは、65歳以降!

平均値が大きく減るのは、「65~74歳」の欄からです。平均本数が20本を割りこみ、咀嚼機能に支障をきたしてもおかしくない…という段階に入りました。義歯使用率を見ても、「ブリッジ・部分入れ歯は使っていて当たり前」という感覚です。

さらに75歳以上になると、歯の平均本数は13本程度にまで低下します。75歳の後期高齢者になると「約40%が総入れ歯」という状況です。「何事もなく自分の歯で噛める人」は、むしろ珍しい部類だと思います。

以上から、「ブリッジ・部分入れ歯になりはじめる年齢=40代後半」であり、「総入れ歯にはりはじめる年齢=60代後半」と認識しておくのが良いでしょう。遅くとも40歳前後になったら、「歯を失わないように」という意識を強く持ち、歯科医院での定期健診を受けるようにしてください。

2.歯を失う一番の原因は、虫歯ではない!

「入れ歯になった人が、歯を失った原因は何だと思いますか?」と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。今まで、歯科に関心を持ったことがない人であれば、「歯を失うのは、虫歯が原因でしょう?」と答えるような気がします。しかしながら、歯を失う最大の理由は虫歯ではありません。最大の原因は、歯周病です。

2-1 歯周病は、世界最大の患者数を持つ病気…!

軽度の歯肉炎を含めると、ほとんどの人が歯周病にかかっています。日本生活習慣病予防協会の調査によれば、20代で約7割、30~50代で約8割、60代で約9割が歯周病に罹患しています。「歯周症にかかっていない人」のほうが珍しいわけです。

歯周症が「かかっていて当然の病気」なのは、日本だけではありません。2001年、歯周病は「世界でもっとも蔓延している病気」として、ギネスブックに掲載されたくらいです。世界中の誰もが、「自分も恐らくは歯周病にかかっている」という認識でオーラルケアをおこなうべきなのです。

参照URL:http://www.seikatsusyukanbyo.com/statistics/disease/periodontal/

2-2 痛みがないまま進行して、歯を失う…!

歯周病は、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)で進行していきます。歯周ポケットに歯石が溜まり、歯石の中で歯周病菌が増えていくのです。歯周病が悪化するにつれて、どんどん歯周ポケットは深くなっていき、さらに歯を支える歯槽骨が溶けていきます。

歯周病は、痛みがないままに進行します。歯を失う寸前に至っても、痛まないのが普通です。そのため、「気づいたときには、もう歯を救う方法がない」という症例も多く、別名で「silent disease(サイレントディズィーズ / 沈黙の病気)」と呼ばれることもあります。

3.まとめ

以上から、「40代後半でブリッジ・部分入れ歯が入りはじめ、60代後半には大部分の歯を失う」というのが、標準的な経過です。そして、多くの場合、歯周病によって歯を失うことになります。

歯周病は、虫歯と違って痛みなどの自覚症状がありません。「何かあったら、歯医者へ行こう」では間に合わないのです。入れ歯になるのを避けたければ、「40代になったら、自覚症状がなくても定期健診に通うこと」が何より重要だと思います。

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