入れ歯になる平均年齢は?歯を失う原因と、8020を実現する方法

入れ歯_年齢
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日本では「高齢者=入れ歯」というイメージが根付いています。

1980年以来、厚生労働省・日本歯科医師会は「80歳で自分の歯を20本残せるように(8020運動)」と、予防意識を高める努力を続けています。

運動が始まった当初は10%に満たなかった8020達成者も、2016年には2人に1人が達成するまでに増えるなど、着実に実を結びはじめています。

しかしながら、まだ入れ歯などの義歯に頼る人は多くいます。厚生労働省の調査(※)によれば、70歳以上の高齢者のうち60.1%が「常に食事の際、入れ歯をしている」と回答しています。

以上から、現状では「ある一定の年齢になると、入れ歯になる確率が高い」ことがわかります。そこで、この記事では「入れ歯と年齢に関する基礎知識」を扱うことにしました。

◆何歳くらいで入れ歯になる人が多いのか
◆若いうちに入れ歯になるのは、どのような人なのか

といったことを掘り下げていくと、「何歳頃から、自分の歯を残すためのオーラルケアに力を入れるべきなのか」「どのような口腔トラブルが、歯を失うことに直結するのか」が見えてきます。

自分の歯を守るために、この記事を役立てていただければ幸いです。

※厚生労働省 「平成23年国民健康・栄養調査報告」

この記事の目次

1.入れ歯になりはじめる年齢は?厚労省のデータを読み解く

それでは、「普通、何歳くらいから入れ歯を使いはじめるのか」を確認してみましょう。

入れ歯を使い始めるのは、歯が1本、2本と失われてきたタイミングです。当初はブリッジや部分入れ歯になるでしょう。そして、大部分の歯が失われたあたりで、総入れ歯を検討することになります。

もともと、人間は親知らずを含めて32本の歯を持っています。

ただ、親知らずは生えない人もいますし、生えても抜歯する人もいます。そのため、一般的には32本から親知らず4本を除いた「28本」を、生えるべき歯としています。

これを踏まえて、以下のデータに目を通してください。

歯の平均本数データ
年齢層 歯の平均本数
15~24歳 28.0本
25~34歳 28.6本
35~44歳 28.1本
45~54歳 26.4本
55~64歳 23.3本
65~74歳 19.2本
75歳以上 13.3本

 

義歯の使用率データ(数値は概算 / Lはごく少数)
年齢層 ブリッジ 部分入れ歯 総入れ歯
45~54歳 30% 5% L
55~64歳 50% 20% 5%
65~74歳 50% 40% 20%
75歳以上 40% 50% 40%

参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット [情報提供] 「歯の喪失の実態」

1-1 歯を失いはじめる年齢は、40代後半から!

上図のデータを見てみると、44歳まではあまり変化がありません。歯の本数はほとんど変わっていないということです。

「25歳~34歳」で若干増えているのは、「親知らずが生えて、歯が28本を超えた人」が出てくるからと考えられます。

さて、「45~54歳」で歯の本数が減少していますが、それでも平均値は「1.7本の減少」にとどまっています。40代から50代にかけては「1~3本くらいの歯をなくす年齢」ということになるでしょう(もちろん、個人差はあります)。

実際、義歯使用率を見ても「45~54歳」に総入れ歯はほとんどいません。ブリッジ・部分入れ歯など「部分的に歯を失ったときに適用する義歯」を使う人がいくらか出てくるといった状況です。

1-2 大幅な減少がはじまるのは、65歳以降!

平均値が大きく減るのは、「65~74歳」の欄からです。平均本数が20本を割りこみ、咀嚼機能に支障をきたしてもおかしくないという段階に入りました。

義歯使用率を見ても、「ブリッジ・部分入れ歯は使っていて当たり前」という感覚です。

さらに75歳以上になると、歯の平均本数は13本程度にまで低下します。75歳の後期高齢者になると「約40%が総入れ歯」という状況です。「何事もなく自分の歯で噛める人」は、むしろ珍しい部類だと思います。

以上から、「ブリッジ・部分入れ歯になりはじめる年齢=40代後半」であり、「総入れ歯にはりはじめる年齢=60代後半」と認識しておくのが良いでしょう。

遅くとも40歳前後になったら「歯を失わないように」という意識を強く持ち、歯科医院での定期健診を受けるようにしてください。

歯のクリーニングを受ける女性

2.歯を失う一番の原因は、虫歯ではない!

「入れ歯になった人が、歯を失った原因は何だと思いますか?」と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。

今まで、歯に関心を持ったことがない人であれば「歯を失うのは、虫歯が原因でしょう?」と答えるかもしれません。

しかしながら、歯を失う最大の理由は虫歯ではなく、歯周病です。

2-1 歯周病は、世界最大の患者数を持つ病気!

軽度の歯肉炎を含めると、ほとんどの人が歯周病にかかっていると考えられています。

厚生労働省の調査(※)によれば、「4mm以上の歯周ポケットを保有している(歯周病の可能性が高い)人」の平均割合は40代で約45%、50代で約51%、60代で約60%となっています。

まだ若い20代でさえ、およそ3人に1人が4mm以上の歯周ポケットがあると言われています。つまり、「歯周病にかかっていない(疑いもない)人」のほうが珍しいわけです。

歯周病が「かかっていて当然の病気」なのは、日本だけではありません。

2001年、歯周病は「世界でもっとも蔓延している病気」として、ギネスブックに掲載されたくらいです。世界中の誰もが「自分も恐らくは歯周病にかかっている」という認識でオーラルケアをおこなうべきなのです。

※厚生労働省 「平成28年歯科疾患実態調査」

2-2 痛みがないまま進行して、歯を失う…!

歯周病は、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)で進行していきます。歯周ポケットに溜まった歯垢(プラーク)の中で、歯周病菌が増殖することで炎症が起こります。

歯垢はやがて歯石となり、通常の歯磨きでは除去できなくなります。

その結果、歯石の中で歯周病菌が増え続け、歯周病が進行していきます。歯周病が悪化するにつれて、どんどん歯周ポケットは深くなっていき、さらに歯を支える歯槽骨が溶けていきます。

歯周病は、痛みがないままに進行します。歯を失う寸前に至っても、痛みを感じない人もいるほどです。

そのため「気づいたときには、もう歯を救う方法がない」という症例も多く、別名で「silent disease(サイレントディジーズ / 沈黙の病気)」と呼ばれることもあります。

歯周病のイラスト

3.まとめ

「40代後半でブリッジ・部分入れ歯が入りはじめ、60代後半には大部分の歯を失う」というのが、これまでの日本の現状です。そして、多くの場合、歯周病によって歯を失うことになります。

歯周病は、虫歯と違って痛みなどの自覚症状がありません。「何かあったら、歯医者さんへ行こう」では間に合わない可能性が高いです。

入れ歯になるのを避けたければ、「40代になったら、自覚症状がなくても定期健診に通うこと」が何より重要になってきます。

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執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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