歯医者は急患なら予約なしでも大丈夫?医院選びの方法を紹介【歯科医師監修】

歯医者は急患なら予約なしでも大丈夫?医院選びの方法を紹介【歯科医師監修】

歯が痛い、歯がしみる…すぐにでも歯医者さんで治療を受けたい時に、予約なしでも行けるのか気になりますよね。急患対応可能の歯医者さんであれば、治療してくれるかもしれません。もちろん、予約を取ってから行く事が一番ですが、急な歯痛で、今すぐにでも治療して欲しい場合もあると思います。

今回の記事では、今すぐ歯医者さんに行きたい人の対処法や、なぜ予約が必要なのかを紹介しています。また、初めて歯医者さんに通う方にもわかりやすいように、行く前に知っておくべき基礎知識を記載していますので、ぜひ参考にして下さい。

この記事の目次

1.歯医者さんは予約なしでも診察してもらえる?

1-1 急患に対応してくれる歯医者さんを探す

急患に対応している歯医者さんは、ホームページやポータルサイトにそうした情報を載せていることがあります。
基本的には、予約している患者さんが優先になりますが、空いている時間で応急処置といった治療をしてくれることもあります。

予約なしで治療を受けたい場合、可能であれば事前に電話して「予約をしていないが今から診察してもらえるか」を問い合わせしておきましょう。

1-2 予約なしの場合は応急処置になることが多い

予約なしで歯医者さんに行く場合、治療というよりも応急処置で痛みを抑えてもらうことが多くなるようです。

予約制を採っている歯医者さんは多いですが、予約が入っていない時間帯であれば、治療してもらえることもあるかもしれません。

1-3 予約なしで行くことは迷惑になる?

予約なしで歯医者さんに行くことは迷惑ではありません。
急な歯痛で、我慢できない旨を相談すれば、優しく答えてくれるはずです。

ただし、すぐに処置が必要なケースを除き、基本的には予約の患者さんを優先することが多いです。
受付を済ませたら、案内されるまで待ちましょう。

1-4 完全予約制の場合は予約なしの治療ができないことも

完全予約制を採っている歯医者さんは、予約なしでは受け付けてもらえないことがあります。
診療方針として、予約した患者さんを待たせることのないように、完全予約制としているためです。

しかし、前述のように予約が空いている、または緊急を要するといった症状の場合、相談に乗ってくれることもあるかもしれません。
ほかに通える歯医者さんが見つからないといった場合、電話で問い合わせてみましょう。

2.歯医者さんが予約制を採る3つの理由

2-1 治療にかかる時間が異なるため

治療の内容は、一人ひとり違います。抜歯をする、クリーニングをする、詰め物を入れるなど、かかる時間は治療内容によって変わってきます。
予約制にすることで、それぞれの患者さんにかかる時間を把握したり調節したりすることができます。

結果として、患者さんが待つ時間も少なくて済みます。

2-2 治療方針を説明する時間を設けるため

患者さんに治療方針を説明する時間を設け、患者さんの同意を得てから治療を始める「インフォームド・コンセント」を採用する歯医者さんが増えてきました。

インフォームド・コンセントでは、先生が治療方法やリスクなどをわかりやすく説明してくれます。
患者さんはその説明を聞いた上で、自分が希望する治療方法を選択することができます。

歯医者さんの予約には、こうした時間も含まれています。

2-3 時間をキープするため

例えば、インプラントといった治療は、予約なしでおこなうことはできません。
人工の歯根を顎の骨に埋め込むといった、大がかりな手術になることが多いため、事前に検査をしたり、治療計画をきちんと立てたりしてから治療を開始します。

手術方法によって時間は異なりますが、1本当たり15~20分程度かかるとされています。
手術前に麻酔をしたり、口の中をきれいにしたりすると、たとえ1本でもそれ以上の時間が必要になります。

数本同時に埋め込む場合、2時間以上かかることも少なくありません。
そのため、予約をして時間をキープしておかなければなりません。

3.歯医者さんを予約することのメリット・デメリット

3-1 メリット:待ち時間がない、時間が調整しやすい

予約することで、歯医者さんに着いてからの待ち時間をなくすことができます(※)。
時間が決まっているため、仕事やプライベートといった予定も組みやすくなります。

※ただし、前の時間帯の患者さんが遅れてきたり、何らかの理由で治療が長引いてしまったりすることは考えられます。また、応急処置が必要な患者さんが急患として入ってくることも考えられます。

3-2 メリット:事前に症状や不安な点を伝えられる

予約をする際、症状や不安な点を伝えることが出来れば、事前に治療計画を立てておいたり、相談する時間をキープしたりすることができます。

妊婦さんや持病がある人、他の薬を服用している人、麻酔で不調になったことがある人などは、予約の際に伝えておくとスムーズです。

3-3 デメリット:時間が不規則な人は難しいことも

仕事の時間が読めないといった理由で、予約してもその時間に行けるかどうか、当日まで分からない人もいます。
そのたびにキャンセルや変更の連絡をしなければならず、心理的な負担になってしまうかもしれません。

時間が不規則な人は、初診の際に伝えておきましょう。
歯医者さん側も、できる範囲で対応してくれるかもしれません。

3-4 デメリット:キャンセル料がかかることも

歯医者さんにもよりますが、自由診療の予約をキャンセルした場合、キャンセル料が発生することがあります。

仕事が忙しいといったことで先々の予定が組みにくい人は、予約がデメリットとなってしまうかもしれません。
歯医者さんのキャンセル規定については、窓口で確認するか、ホームページでチェックしておきましょう。

4.事前に準備するものと心がけたいこと

4-1 歯医者さんに行く前に準備するもの

  • ・保険証
    ・お金
    ・ハンカチ
    ・歯が欠けたり詰め物が取れたりした場合はその現物(手元にある場合)

※保険証を忘れた場合、原則として10割負担となるため注意しましょう。後日、保険証を持参すれば返金してくれるかどうかや、手続きといった方法は事前に確認しておきましょう。

4-2 患者さんとして心がけたいこと

◆予約を無断でキャンセルしない

歯医者さんは、予約した患者さんの時間をあけてくれています。

やむを得ない事情があり、予約の時間に行けない場合、できるだけ早い段階でキャンセルする旨を伝えましょう。

キャンセルすることが分かっていれば、万が一急患が来た場合でも受け入れることができるかもしれません。

◆歯医者さんに行く前は歯を磨く

歯医者さんに行く前は、歯を磨きましょう。

外出先から直接歯医者さんに行く場合は、歯医者さんについてから磨く、またはうがいをするといった方法で、できるだけ口の中をきれいにしておきましょう。

どうしても歯を磨く時間が取れなかったときは、治療の前にその旨を伝えましょう。
歯医者さんが、治療の前に口の中を掃除してくれるはずです。

◆口紅やグロスは落としておく

治療中、口紅やグロスが先生の手や治療器具に付着すると、衛生的にも良くありません。
落としてから行くことをおすすめします。

仕事終わりといった外出先から歯医者さんに向かう場合、化粧室を借りて落としましょう。

◆治療中の急な動きは極力避ける

治療中、むやみに顔を動かしたり口を閉じたりすると、口の中を傷つけてしまうかもしれません。

急に強い痛みを感じて反射的に動いてしまったり、くしゃみをしてしまったりすることも考えられます。
そうした場合に備えて、危険を回避するよう準備している先生は多いですが、どうしても避けられないこともあります。

先生に何かを伝えたいときは、手を上げて知らせましょう。

5.まとめ

急患に対応している歯医者さんであれば、予約なしでも診察してくれることがあります。

ただし、予約の患者さんが優先になることが多いため、まずは電話で確認してから受診することをおすすめします。

急に虫歯が痛み出した、歯が折れてしまった、といったように緊急の場合は仕方がありません。
しかし、緊急時以外はできるだけ事前に予約し、詳しい治療の説明を受けたり、不安な点を相談したりする時間を作ってもらいましょう。

経歴

2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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