口腔内の病気を未然に防ぐ、デンタルフロスの4つの効果と選び方

口腔内の病気を未然に防ぐ、デンタルフロスの4つの効果と選び方

デンタルフロスを普段から使っている方は少ないと思いますが、実は健康管理に重要な役割をもっています。

あまり知られてはいませんが、歯ブラシだけで汚れを落とそうとしても、歯垢除去率は60%程度であり、フロスを併用すると80%以上しっかりと落とす事が可能です。毎日行うことで、口腔内の病気を予防できます。デンタルフロスの主な効果を4つにまとめてお伝えします。

ぜひ参考にしてみて下さい。

この記事の目次

1.デンタルフロスの4つの効果

1-1口臭が少なくなる

毎日、デンタルフロスをすることで口臭の原因を取り除くことができます。歯ブラシでは取れない歯垢が付く場所は、歯の間です。そこに食べカスや歯垢が残り、細菌の温床になります。細菌が長時間残留して腐敗したものが口臭の原因です。デンタルフロスは歯ブラシでは取れない、口臭の原因を取り除きます。

歯の間に付着した歯垢

1-2虫歯が早期発見できる

デンタルフロスの通り方で、虫歯の初期症状がチェックできます。下記の状態になった場合は、初期虫歯または虫歯の疑いがあります。

・デンタルフロスを通して毎回同じところで、引っかかる。

・出し入れの際に、糸がバラける

虫歯を早期発見することができれば、ちょっとした治療で歯を治すことが出来ます。違和感があれば、歯科検診に行くことをおすすめします。

1-3被せ物・詰め物の劣化度をチェックできる

詰め物、かぶせ物の不具合がある場合、虫歯の初期症状と同じく、デンタルフロスが引っかかりやすくなります。合わなくなった被せ物は虫歯の住み家になり、放置しておくと、虫歯になります。

被せ物の切り替え時期がわかるのも、デンタルフロスを使う効果の1つになります。

1-4歯周病のチェックになる

デンタルフロスをしていて出血した場合、歯周病の可能性があります。歯の間に炎症があるとデンタルフロスに当たり、出血することがあります。

もしくは、歯茎が傷ついて出血する場合もあります。毎回出血するようであれば、歯の間に歯周病の炎症がある可能性が高いです。このようにデンタルフロスを使うことで、口腔内の問題を未然に防ぐことが出来ます。

1-5デンタルフロスの効果まとめ

・口臭予防

・虫歯の早期発見

・被せ物・詰め物のチェック

・歯周病のチェック

2.デンタルフロスの選び方

デンタルフロスには種類がたくさんあり、それぞれ特長があります。初めて使う方、使い慣れている方、それぞれ合ったタイプがあります。

3.デンタルフロスの使い方

3-1ホルダータイプの使い方

デンタルフロスを歯の間に当て、ゆっくりとスライドさせながら入れましょう。勢いよく入れると、歯茎を傷つけてしまうので注意しましょう。歯と歯が接触する部分を通過するときは、多少きつく感じますが、ゆっくりとスライドさせて中まで入れましょう。

デンタルフロス ホルダータイプの入れ方

中まで入ったら上下に動かし、歯の両面を磨きましょう。

デンタルフロス ホルダータイプの動かし方

歯と歯茎の境目である歯肉溝がとくに歯垢が溜まりやすい部分です。しっかりと汚れを取りましょう。

デンタルフロス 歯肉溝 汚れが溜まる部分

汚れが取れたら、ゆっくりと左右に動かしながら抜き出しましょう。

デンタルフロス ホルダータイプの抜き方

3-2糸巻きタイプの使い方

ホルダータイプと違い、1回1回切る作業が発生します。まずはデンタルフロスを約40cm程(指先からひじまでの長さ)で切ります。

デンタルフロス 糸巻きタイプ 使い方

デンタルフロスを片方の中指に2~3回巻きつけます。

デンタルフロス 糸巻きタイプ 糸の巻き方

さらに両手の間隔が10~15cmになるように、もう一方の中指に巻きつけます。

デンタルフロス 糸巻きタイプ 糸の間隔

両手の親指と人差し指でつまんで、1~2cm間を離してピンと張ります。

デンタルフロス 糸巻きタイプ 糸の張り方

 

上下の前歯・奥歯、それぞれに合わせた持ち方でフロッシングして下さい。あとはホルダータイプと同じように、ゆっくりと入れて汚れを取って下さい。1つの歯を掃除したら使用した部分を1回指に巻いて、汚れの付いていない別の部分で、フロッシングするようにして下さい。

◆上の前歯の持ち方

デンタルフロス 糸巻きタイプ 上の前歯への持ち方

◆上の奥歯の持ち方

デンタルフロス 糸巻きタイプ 上の奥歯への持ち方

◆下の奥歯の持ち方

デンタルフロス 糸巻きタイプ 下の奥歯への持ち方

4.まとめ

毎日デンタルフロスを行うことで、口腔内の状態をチェックすることができます。

ブリッジなどの連結している歯には使えませんが、デンタルフロス使うと、口臭、虫歯、歯周病が防げます。

被せ物・詰め物の交換時期がわかります。

デンタルフロスをするときは、歯肉を傷つけないように行いましょう。

プロフィール&経歴

目指したきっかけ:医療には関心あったが、やはり一番は両親の教育が大きかったのではないかと思う。
やりがい:大学のときは他の職種とは違う特殊性に惹かれていたのですが、実際歯科医になってからはお礼を言われる部分です。

松本歯科大学卒業後、同病院勤務。
琉球大学医学部付属病院歯科口腔外科にて
顎顔面領域悪性腫瘍治療に従事。
その後都内複数歯科医院勤務後、
麻布シティデンタルクリニックを開院。
現在に至る。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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