歯科ドックって何をするの?具体的な検査内容をチェック

歯科ドックって何をするの?具体的な検査内容をチェック

最近、「歯科ドック」という単語を目にする機会が増えてきました。これは人間ドックの歯科版で、口の中の健康状態を詳しく検査する…というものです。しかし、まだまだ歯科ドックという言葉にピンとこない人が多いのが現実です。

そこで、こちらの記事では「歯科ドックでは、具体的にどんな検査をするのか」を解説することにしました。もちろん、それぞれの検査を受けることで得られるメリットにも言及しています。

この記事の目次

1.歯科ドックは自由診療!医院ごとに異なる検査内容

歯科ドックという言葉自体は、「口腔内の精密検査」を指す総称です。自由診療なので、検査内容が一律に決められているわけではありません。検査内容・料金などは、歯科医院が個別に決めています。

ただ、歯科医院ごとにまったくバラバラの検査をしているわけではありません。多くの歯科医院でおこなわれている検査項目も存在しています。そういった検査項目は、「歯科ドックの一般的検査内容」と扱うに十分でしょう。

この章では、多くの歯科医院が採用している「歯科ドックの一般的な検査項目」を紹介したいと思います。

1-1 レントゲン・CT検査

虫歯の有無はもちろんのこと、歯根(歯の根っこ)をはじめ、肉眼では確認できない部位の健康状態を知ることができます。レントゲンとCTを撮影することで、たとえば、以下のような情報を得られます。

・歯牙・歯根破折の有無…歯・歯の根っこがひび割れていないか
・歯槽骨の状態…歯を支える骨が歯周病により溶けていないか
・根尖病巣の有無…歯根の周囲に炎症は起きていないか
・根管の形態…歯根内部にある神経・血管の通り道は、どのような形状か

1-2 口腔内写真の撮影

歯茎の状態を知るためには、口腔内写真が役立ちます。骨と違い、歯茎はレントゲンでは確認できないからです。

1-3 唾液検査

唾液の成分を分析することで、口腔環境の維持・改善に役立てます。唾液検査でどこまで分析するかは歯科医院ごとに異なりますが、たとえば、以下の項目を調べることが多いです。

・虫歯菌の量…虫歯リスクがどのくらいかを予測
・潜血検査…出血の有無を調べ、口腔内における炎症の有無を検査
・唾液量検査…唾液が少ないと虫歯・歯周病リスクが増大
・緩衝能検査…酸性になった口腔内を中性に戻る力を検査

1-4 口腔内細菌検査

口腔内から採取したプラークに、どのような細菌がどれくらい含まれているかを観察します。位相差顕微鏡と呼ばれる検査機器を使うことで、虫歯菌・歯周病菌などの細菌を生きたまま確認することができます。

1-5 SM菌・LB菌の検査

SM菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌)はエナメル質に穴をあけ、虫歯をつくり出す菌です。対して、LB菌(ラクトバチルス菌)は虫歯を悪化させる菌です。これら虫歯菌の量を確認することで、現在の虫歯リスクを測ることができます。

1-6 歯周病検査

「プローブ」と呼ばれる器具を用いて、「歯周ポケット(歯と歯茎の隙間の溝)」の深さを測ります。歯周病は歯周ポケットの中に歯石が溜まり、その歯石の中で歯周病菌が繁殖することで悪化していきます。その際、歯周ポケットが拡大するため、「歯周ポケットの深さ=歯周病の進行度」と考えて差し支えありません。保険内の検査ではたいてい、歯1本につき1か所の歯周ポケットを測定するだけですが、歯科ドックの検査では6か所を測定するのが普通です。

1-7 口臭検査

口臭の主な原因となる悪臭物質―揮発性硫化化合物(プラークに由来する硫化水素など)の分量を測定します。成分分析をした上で対応方法の提案を受けられるのがメリットです。

1-8 模型の型取り

口腔内に石膏を流しこみ、口腔内の模型を作製します。「噛み合わせに問題がないか」はもちろんのこと、歯の損耗を見ることで「歯ぎしりの有無」までわかります。

2.歯科ドックの一般的な費用は?

歯科ドックは自由診療なので、歯科医院が自身で費用を決定することが可能です。ただ、多くの歯科医院が歯科ドックをおこなうようになったことで、ある程度の費用相場は存在しています。

上述した8項目の検査を実施した場合、約3~5万円になることが多いです。ただ、口腔癌検査・金属アレルギー検査などのオプションを設けている歯科医院もあり、そういったオプションをつけると6~8万円くらいになります。

3.まとめ

定期的に歯科ドックを受けることで、虫歯・歯周病のリスクを大きく下げることが可能になります。また、歯周病になると糖尿病・動脈硬化といった生活習慣病のリスクが高まることが知られており、歯周病予防は生活習慣病予防にも直結します。歯を失わないことはもとより、10年後、20年後の全身の健康を考える上でも、歯科ドックの受診には大きなメリットがあるでしょう。

 

先生からのコメント

歯科人間ドック学会会員です。今はほとんどやっていませんが、CT検査が増えて値段が高くなりましたね。普通2日かかります。最初検査等で1~2週間くらい、次回説明で1時間くらいかかります。

医院情報
住所:東京都葛飾区お花茶屋2-5-16
電話:03-3601-7051
執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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