矯正

矯正の痛みの原因や和らげる方法を知れば全然怖くない!

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矯正治療は痛いという話を聞いたことがあるかもしれません。確かに、矯正治療は痛みを伴うことを念頭に置いて欲しいのですが、矯正=痛いという先入観を、いたずらに膨らまさないで欲しいのです。実は、ある程度の痛みこそが、歯を動かす矯正効果の表れですし、治療期間の一部始終、ずっと痛みを抱えるわけではありません。

また、矯正効果による痛み以外にも、さまざまな痛みが生じる場合があるので、それらを事前に知っておくことで、慌てずにさまざまな対策を講じることができます。痛みには個人差がありますが、人より強くても耐えられないほどの痛みではありません。痛みの原因と解決策を知ることで、簡単に対処することができるはずです。

1.矯正中の痛みの原因は主に4つ

矯正治療中の主な痛みをまず、知っておきましょう。主な原因は4つ。その痛みの原因を知り、適切な予防策や解決策を把握しておけば、何も怖れることはありません。

・歯が動くときの痛み

矯正装置を付けると、歯根あたりにズーンとした歯が浮くような痛みを感じます。人によって痛みの感じ方は違うので、こうした表現で一括りにするのは適切ではないかもしれません。普段、何もしていない時に、痛みが生じたら、歯が動くことによる痛みだと考えてください。

しかし、痛みはずっと続くものではなく、矯正装置を付けた後や矯正装置の再調整後の、約1週間くらいがピークで、その後はだんだん痛みが引いてきます。歯が動く際にどうして痛むのかについては、是非2章を御覧ください。

・食事中の痛み

矯正装置を付けた後や調整した後、歯が動くときの痛みがある際は、特に食事で咀嚼する時に、痛みを強く感じるものです。器具を装着しているのですから、日常生活での違和感は当然ありますが、食事中に痛むのは避けたいところですよね。

でも、これらも徐々に痛みが引いてきますし、特に痛む時には、メニューを工夫することで、痛みを軽減できます。痛みを軽減するメニューについては、第4章でご紹介いたします。

・装置の接触による口内炎

装置が口内に接触することで、口内炎になってしまう場合もあります。歯が動くこと自体の痛みではありませんが、いつも同じ所に口内炎ができたり、なかなか治らない場合には、装置が口内に接触する部分を改善することが可能です。

・ほっぺたを噛んでしまう痛み

矯正装置を装着した直後など、装置に慣れず口内に違和感があると、思わずほっぺたを噛んでしまったりすることがあります。そこから口内炎になって痛むこともありますが、器具に慣れてくるにつれて、こうしたアクシデントは少なくなってくるはずです。

2.歯が動く痛みは矯正効果の現れ

矯正装置を付けたばかりや装置を調整した直後は、歯に痛みを感じるものです。目安としては、装置を付けて4、5時間後あたりから、ズーンとした痛み(というか違和感)を感じるものです。

しかし、これは装置が適切に働いて、歯が動き始めていることによるものです。そう考えると、装着してわずか数時間後から、矯正の効果が現れ始めているということです。

この章では、矯正のメカニズムを知ることで、それが必要な痛みであることを理解してください。こうした痛みは矯正効果の現れであり、歯並びが刻々とキレイになっていく「嬉しい痛み」でもあるのです。

2-1 歯が動く痛みのメカニズム

矯正にともなう痛みの説明に入る前に、矯正治療で歯にどのような作用が働くのかをご説明しましょう。

歯は、歯茎から見えている「歯冠」、歯茎の中に埋まって根っことなっている「歯根」、歯根を支えている骨となる「歯槽骨」、そして、「歯根」と「歯槽骨」の間でクッションのような役割を担う「歯根膜」で構成されています。

歯の構造

 

「歯冠」にブラケットなどを装着して、ワイヤーで荷重をかけることによって、歯を動かすのが主な矯正治療です。この荷重によって、「歯根膜」には圧迫される側と、広げられる側が生じます。

「歯根膜」が圧迫される側は「歯槽骨」を壊し、引っ張られる側は「歯槽骨」が生まれるといった作用が働きます。これによって、「歯根」を支える土台となる「歯槽骨」が徐々に動いていくのです。その際の、痛みは「炎症」によるものです。

矯正のメカニズム

炎症というと悪いイメージがありますが、医学用語としての「炎症」とは、細胞が壊れ、そしてまた新たに修復されていく体内の反応過程や防御反応を含めて、「炎症」と呼んでいます。

また、「歯槽骨」の減少と再生による炎症以外にも、圧迫による血流障害による痛みが生じると言われています。歯には血管や神経が通っているので、矯正による荷重が加わることによって、血流障害が生じ、一時的に痺れのような痛みが伴うと言われています。

しかし、炎症や血流障害は、矯正装置装着後に一時的に強く感じるもので、たいていは1、2週間程度をピークに、痛みは引いてくるものなのです。

2-2 さまざまな矯正器具による痛みについて

矯正治療にはさまざまな装置がありますが、歯を動かす場合、基本的には、2-1のようなメカニズムで、痛みが生じるものと考えて、間違いありません。そして、痛みは徐々に落ち着いてきます。器具による痛みは以下の通りです。

・プレート装置による痛み

写真の装置は「急速拡大装置」と呼ばれるもので、上顎骨の縫合を左右に引き延ばす為の装置です。ネジを調整することによって、コンマ数ミリ単位で装置を広げるので、口蓋部(上あご)に鈍痛が生じることがあります。

プレート矯正

・スプリング装置による痛み

矯正装置を装着する前などに、奥歯の歯間に、スプリング状の金属を入れるプロセスもあります。その際、奥歯に食べかすが詰まったような違和感や、歯が押し広げられる痛みが生じる場合があります。

・ブラケットによる痛み

ブラケットによる痛みと、その矯正のメカニズムに関しては「2-1」の通りです。

・マウスピースによる痛み

歯並びの凹凸を揃えるといった、簡単な矯正に使われるのがマウスピース。圧迫される歯には、部分的な痛みが生じる時がありますが、数日をピークに、徐々に慣れていきます。

3.矯正の痛みを軽減する方法

前述のとおり、矯正装置の装着後1、2週間をピークに、ある程度の痛みがあるものと考えましょう。それが、美しい歯並びへと向かっている証です!しかし、自分で対処したり、歯科医に相談するなど、痛みを緩和する方法はいろいろあります。

3-1 自分でできる痛みの軽減方法

・食塩水で口をゆすぐ

コップ1杯に対して、スプーン1杯くらいの食塩を溶かして、食塩水が口の隅々まで行き渡るように、口をゆすいでうがいをします。痛みを軽減するもっとも安価で簡単な方法です。

・電動歯ブラシによるマッサージ

矯正治療では、炎症と血行障害を伴うことは、前述したとおりですが、電動歯ブラシや音波振動歯ブラシなどを使って、よく歯茎をマッサージすることで、こうした痛みを緩和することができます。

・痛み止めを飲む

どうしても我慢できないという場合には、市販の痛み止めを飲むことも可能です。ただし、矯正治療は炎症(細胞の破壊と再生)によって、歯槽骨の位置を改善するものなので、炎症を抑えるための薬は、あまり望ましくないといえます。

3-2 歯医者さんで行う痛みの軽減方法

・ブラケットを覆うワックス

ブラケットなどの器具が、口の中に当たって、口内炎ができてしまうような場合は、装置を改善することもできます。粘土状のワックスを付けたり、プレイスガードと呼ばれるもので覆ったりします。飲み込んでも害のない素材で出来ています。

・ソフトプレート

矯正治療中の痛みが生じた時に、ソフトプレートを何回か噛むことで、痛みを和らげることが可能です。歯列に合わせたU字形になっていて、ズキズキした痛みを緩和することができます。

・高周波治療

歯槽骨の破壊と再生が、矯正治療に伴う痛みですが、高周波治療を施すことによって、歯槽骨の血行を良くし代謝を高めて、痛みを軽減すると言われています。また、治療効果の促進にも役立つことが期待されています。

4.痛みのある際の食事について

矯正装置を付けた後や調整後は、歯が動く痛みが伴いますが、特に食事の際は、その痛みが少々煩わしいものとなります。しかし、歯に負担をかけないメニューを工夫することで、痛みを軽減することができます。

歯に負担をかけないとは、簡単にいえば、あまり強く噛む必要のない柔らかいものを食べましょうということです。そこで、すぐ思い浮かぶのはお粥ですが、そればっかりじゃ飽きてしまいますよね。そこで、歯に負担をかけないオススメのメニューをご紹介しましょう。

おすすめの食事

・具だくさんスープ系

あまり噛まないスープ系であれば、何でもOKですが、腹持ちのするメニューとしては、具だくさんのスープにしたいところです。イタリアンなら、トマトベースのミネストローネ・スープ。玉ねぎ、人参、セロリなど、野菜をたくさん入れて、柔らかく煮込めば、腹持ちも良い一品になります。味噌汁でも、ポタージュでも、シチューでも好きな具材をたくさん入れて、十分に柔らかく煮込めばOK!

・雑炊系

矯正した歯に負担が少なく、柔らかくてお米も入ってて、満腹感バッチリといったメニューをネットで探したいなら、「おかゆ」ではなく「雑炊」。まぁ、雑炊にならない具材はないもので、魚介類、鶏肉、キノコなど、味のベースとなるものは実に豊富です。これを機会にオリジナルのレシピを考えるのも楽しいものですよ。

・おでんや煮付けなど、なんでもOK

基本的には、痛みを刺激しない柔らかいものであれば、なんでもOKなので、刺し身や豆腐、おでん、煮付け、グラタン、ドリアなどなど、何でもアリです。柔らかくておいしいものは数えきれないほどに、たくさんあるのです。これを機会に、自分に合った、柔らかくておいしい料理のバリエーションを追求してみるのも一案ですよ!

5.まとめ

矯正は痛みを伴います。でもそれは、よりよい歯並びへと向かうために必要な痛みということを知っておいてください。そして、長い矯正期間の四六時中続くものではなく、徐々に消えていくものであるということも知っておきましょう。

ですから、もし強い痛みがあったとしても、必要以上に不安にならず、落ち着いて、自分でできる対処法を試したり、歯科医に相談したり、痛みを軽減するためにできることはたくさんあります。

食事に関しては、痛みが伴う場合、とても不自由に感じるかもしれませんが、自分に合った、柔らかくて美味しいものを選べばいいのです。今まで経験しなかった、新たな味の世界が広がるかもしれません。不便だと深刻に考えず、食の幅を広げる良い機会になるという感じでとらえてくださいね。

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