口内炎に穴が空いてしまった!その正体や悪化の原因を徹底解説

    口内炎に穴が空いてしまった!その正体や悪化の原因を徹底解説

    口内炎にボコッと穴が空いたような症状があらわれることがあります。そのような口内炎は、なにが原因で発生するのでしょうか?

    ここでは、穴が空くようなひどい口内炎の正体、原因と、そうならないための予防法について触れていきます。今ちょうど口内炎ができていて、なかなか治らないと悩んでいるのであれば、悪化を防ぐためにもこのメカニズムをよく知っておきましょう。

    この記事の目次

    穴が空いた口内炎の正体とは?

    アフタ性口内炎

    アフタ性口内炎は、最も一般的な口内炎の一種です。患部には白や黄色の膜ができ、通常1〜2週間で治ります。しかし、症状が悪化すると、ビランと呼ばれるただれが生じ、白い膜が盛り上がったり、えぐれた穴や水疱ができることもあります。穴が空いている場合は、かなり悪化した状態といえるでしょう。

    壊死性潰瘍性口内炎

    壊死性潰瘍性口内炎は、歯茎や口の粘膜が壊死したり、潰瘍ができたりする口内炎です。原因は細菌感染とされています。発熱や倦怠感はあまり見られませんが、歯茎の出血や痛みが生じやすく、症状がひどくなると喉にまで広がることがあります。また、口臭が特徴的です。

    この口内炎でも穴が空くことがあり、重症化すると生命の危険が伴うこともあります。出血や痛みがある場合、倦怠感がなくても必ず病院を受診しましょう。

    内歯瘻(ないしろう)

    内歯瘻は、フィステルや瘻孔(ろうこう)とも呼ばれ、口内炎とは異なります。これは、歯の周囲にたまった膿が歯茎から出てくる際にできる穴のことです。基本的に痛みはなく、口内炎と間違えられやすいのが特徴です。

    穴が空くほどの口内炎ができる原因とは?

    ストレスが多い

    口内炎は、ストレスが原因で発生することが多いです。ストレスが溜まると胃腸が弱る人がいますが、胃が弱ると口内炎ができやすくなります。ストレスは万病のもとといわれますが、口内炎の大きな要因の一つでもあります。ストレスは気づかないうちに溜まっていることがあるので、注意が必要です。

    栄養状態が悪い

    栄養バランスが偏ったり、ビタミンが不足したりすると、口内炎ができやすくなります。ビタミンが不足するだけで…と思うかもしれませんが、どんなに薬を使ってもビタミンが不足していると改善が見られないほど、ビタミンは重要な栄養素です。普段から食生活が乱れている人は、栄養が偏りがちなので注意しましょう。

    喫煙をしている

    喫煙は口を乾燥させ、粘膜を刺激するなど、さまざまな悪影響を及ぼします。壊死性潰瘍性口内炎の原因としても、衛生状態の悪さや栄養状態の悪さと並んで、喫煙が挙げられます。

    デンタルケアが不十分

    口の中が不潔だと、口内炎ができやすくなります。歯みがきをしない、デンタルフロスを使わない、適当に歯みがきをしているなど、思い当たることがあれば、それが原因で口内炎が発生しているかもしれません。また、口の中が不衛生だと、すでにある口内炎が悪化することも考えられます。

    加齢

    実は、加齢によっても口内炎ができやすくなります。これは、加齢に伴う唾液の減少が関係しています。唾液が減ることで口の中の殺菌力が低下し、口内炎が発症しやすくなるのです。

    合成界面活性剤

    歯みがき粉には、ラウリル硫酸ナトリウムなどの合成界面活性剤が含まれていることがあります。この成分は刺激が強く、口の中の粘膜を傷つける可能性があります。そのため、これが原因で口内炎の炎症が悪化することも考えられます。

    穴が空くほどの口内炎を予防する方法とは?

    口の中を清潔にする

    口の中を清潔に保つためには、セルフケアが重要です。基本的なことですが、以下のケアを欠かさず行いましょう。

    ・1日2〜3回の歯みがきを徹底する
    ・毎食後にうがい薬を使ってうがいをする
    ・歯みがきの際にはデンタルフロスも使用する

    バランスの良い食生活を心がける

    栄養バランスが崩れると、口内炎ができやすくなります。以下の栄養素を積極的に摂り、バランスの良い食生活を心がけましょう。

    ビタミンB2
    不足すると炎症がひどくなったり、唇がひび割れたりします。肌や粘膜のトラブルを防ぐために重要なビタミンです。ビタミンB2は魚や乳製品、レバーや卵に多く含まれています。

    ビタミンB6
    免疫力を保つために重要なビタミンB6が不足すると、細菌の繁殖につながります。ビタミンB6はバナナ、ナッツ、大豆、マグロのお刺身に豊富に含まれています。

    ビタミンA
    粘膜の機能維持に必要なビタミンAは、口内炎の予防・改善にとても大切です。ビタミンAは鶏や豚、牛のレバー、うなぎ、乳製品、卵に豊富に含まれています。

    ビタミンC
    ビタミンCは抗酸化作用が強く、体内のウイルスを撃退し、免疫機能を高める働きがあります。ストレスを多く感じている人は、積極的に摂取しましょう。ビタミンCは赤ピーマン、ブロッコリー、パセリ、アセロラ、ゆずに多く含まれています。

    鉄分
    鉄分は酸素を全身に運ぶ赤血球のヘモグロビンを構成する重要な要素です。不足すると貧血や疲れやすさ、免疫低下の原因になります。鉄分はほうれん草、魚介類、肉類、海藻に豊富に含まれています。

    十分な睡眠をとる

    健康な身体を維持するためには、十分な睡眠が必要です。もし夜更かしの習慣で常に寝不足になっているなら、生活を見直し、しっかりと睡眠を取れるように改善しましょう。

    ストレスを解消する

    日々のストレスは、毎日少しずつ解消することが大切です。ハーブティーを飲んだり、マッサージを受けたりして、ストレスが溜まりきる前にうまく発散できる習慣を身につけましょう。

    まとめ

    穴が空いたり、クレーターのようなくぼみができるほどの口内炎は、かなり症状が進んでいる状態です。口内炎で病院に行かない人もいるかもしれませんが、早めに病院を受診することが安心です。口内炎にはさまざまな種類があり、他の病気の可能性もあるため、自分で判断せずに専門家に相談しましょう。

    遠藤三樹夫 先生監修
    プロフィール&経歴

    出身校:大阪大学
    血液型:O型
    誕生日:1956-11-09
    出身地:大阪府
    趣味・特技:料理

    1983年大阪大学歯学部 卒業
    1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
    1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
    1988年遠藤歯科クリニック 開業
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

    歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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