虫歯の治療後に痛みが出る4つの原因と対処法!歯医者さんを受診する目安も

「虫歯治療が終わったはずなのに痛みが…」原因がわからないと、不安になってしまうものです。

虫歯の治療後に“痛む”“しみる”といったことはあります。特に、初期よりも悪化した虫歯を治療したときの方が、痛みが出る要因は多くなると考えられます。

この記事では、虫歯の治療後に痛みがあるときに考えられる原因や、痛むときの応急処置、症状を悪化させないために控えた方が良いことなどを紹介しています。虫歯の治療後、歯の痛みに悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

この記事の目次

1.虫歯の治療後に痛みが!4つの原因と歯医者さんを受診する目安

虫歯の治療後の痛みは、多くの場合一時的なもので、数日程度で治まります。その間は硬いものや熱いもの、冷たいものなどが痛い部分に極力触れないようにしましょう。

「何日も痛みが引かない」「どんどん痛くなる」という場合は、我慢せず歯医者さんに相談しましょう。

1-1 虫歯などで神経の近くまで治療した場合

悪化した虫歯は、深い部分まで削ることがあります。

歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる、神経や血管などの軟らかい組織があります。歯髄に近い部分まで削った場合、神経が刺激を受けて敏感になり“うずく”ように痛むことがあります。

麻酔をして治療した場合、麻酔が切れ始めたタイミングで痛み出すこともあります。いずれにしても、数日程度でおさまるのが基本的なので、しばらく様子を見ましょう。

1-2 抜髄・根管治療をした場合

歯の神経を抜く処置を「抜髄(ばつずい)」と言います。抜髄のあとは、歯の内部の汚染された神経や組織を根管(歯の根)まできれいに除去する必要があります。根管治療と呼ばれる処置です。

根管は非常に細いうえ、歯一つひとつ違う形状をしているなど複雑なため、目で見える範囲には限界があります。その結果、どうしても神経や細菌を除去しきれず、痛みが出ることがあります。

痛みが強い場合は細菌に再感染していたりすることも考えられるため、歯医者さんで診てもらうことをおすすめします。

1-3 金属の被せ物を入れた場合

銀歯といった金属の被せ物をした直後は、歯がしみることがあります。

金属は熱の伝導性が高く、熱いものや冷たいものが神経に伝わりやすくなるためと言われています。しみる刺激を“痛み”と感じる人もいます。歯の神経部分に、第二象牙質と呼ばれる組織が作られてくると、徐々に改善してきます。

ただし、虫歯の進行度合いなどによって1~2週間程度で改善する人もいれば、数カ月から1年程度かかる人もいるようです。しみたり痛んだりするのが気になる場合は、一度歯医者さんで相談してみましょう。

1-4 噛む力が強い場合

被せ物を装着する際は咬み合わせがずれないように調整をおこなってくれます。

しかし、被せ物が若干高いなどの微妙な変化で、噛んだときに痛むことがあります。また、もともと噛む力が強い人は、神経が敏感になっていると痛みを感じやすい傾向もあります。

基本的には様子を見ているうちに痛みが治まることが多いですが、痛みが引かない、咬み合わせに違和感があるといった場合は、歯医者さんで調整してもらうことも検討しましょう。

2.虫歯の治療後に痛みが出たときの応急処置

2-1 痛み止めを飲んで抑える

歯医者さんで処方された痛み止め、または市販の痛み止めが手元にある場合、服用して様子を見ましょう。

市販の痛み止めは、ロキソプロフェン配合のものがおすすめです。服用してから作用が出始めるまでに時間がかかることもあるため、痛み出したら早めに飲んでおきましょう。

※処方薬または市販薬を使用する際は、歯科医師または薬剤師の指示に従い、用法用量を守って正しく使用してください。

2-2 痛む場所を冷やして抑える

ジェル状の解熱シートや濡れタオルなどで、ほほ側から冷やしてみましょう。

冷やすことで血行が鈍り、痛みの緩和が期待できます。ただし、直接、氷や冷水を口に含んで患部を冷やすことは避けた方が良いでしょう。急激な温度変化によって神経が刺激を受け、逆に痛みが増してしまうことがあるためです。

3.虫歯の治療後に痛みが出たときに控えたいこと

3-1 治療した歯をいじる

歯の痛みが気になると、ついいじりたくなってしまうかもしれません。しかし、指や舌先でいじってしまうと、細菌が患部に入って悪化してしまう恐れがあります。

爪楊枝など先がとがった物で刺激をした場合も、余計に痛みがひどくなってしまうことがあります。食べカスなどがどうしても気になる場合、ぬるま湯で軽く口をゆすぐといった方法で対処しましょう。

3-2 飲酒・運動・入浴

血流が増えると血管が膨らみ、神経が圧迫されて痛み出すことがあります。

アルコールは血行を促進させる作用があるほか、激しい運動やお風呂に入るといった行為も血行が良くなり痛むことがあります。飲酒や運動は控えることをおすすめします。

入浴を控えるのが難しい人は、シャワーなどで済ませるといったことも検討しましょう。

4.まとめ

虫歯の治療後、歯が痛むことはあります。ほとんどは治療によって神経などの組織が刺激を受けたことが原因なので、応急処置を試すなどして様子を見ましょう。

ただし、いつまで経っても痛みが引かない場合や、徐々に痛みが強くなる場合などは、別の問題が生じていることも考えられます。そのときは我慢せず、できるだけ早く歯医者さんを受診しましょう。

経歴

2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。