しゃくれが気になる場合の対処法|自分で見直せる習慣や歯科医院での治療法を紹介

しゃくれが気になる場合の対処法|自分で見直せる習慣や歯科医院での治療法を紹介

しゃくれは、噛み合わせや発音に影響することがあります。

また、見た目に悩みを抱える方もいます。

この記事では、しゃくれが気になる場合のセルフチェック、自分で見直せる習慣、歯科医院で相談できる治療法について紹介します。

しゃくれとはどのような状態を指すのか、原因にはどのようなものがあるのか、受け口との違いについても解説します。

※本記事に掲載している自由診療の料金は、2026年時点でEPARK歯科に掲載されている歯科医院の料金情報を参考にしたものです。料金は地域や施術内容、使用する機材、歯科医院の方針等によって異なります。実際の料金については受診予定の歯科医院へご確認ください。

この記事の目次

1.しゃくれかどうかセルフチェックで目安を確認

まずは、しゃくれや受け口が疑われるかどうか、セルフチェックで目安を確認してみましょう。

以下の項目に当てはまる数が多い場合、下顎前突や反対咬合などの可能性があります。

上下の歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯より内側にくる
前歯だけで麺類を噛み切りにくい
舌小帯(ぜっしょうたい=舌の下側にあるスジ)が短いと指摘されたことがある
サ行やタ行など発音しにくい音がある
滑舌が悪いと言われることがある(または自覚がある)
下唇がE-Line(鼻の先と顎の先を結んだライン)よりも前に出ているように見える

※上記のセルフチェックは診断ではありません。歯科医院を受診するか迷ったときの目安として活用してください。

2.セルフケアで見直せる習慣

しゃくれや受け口は、原因によって対応方法が異なります。

顎の骨格や歯並びが原因の場合、セルフケアだけで改善することは難しい場合があります。

一方で、顎や歯並びに負担をかける習慣を見直すことは、症状の悪化予防や口腔機能の維持に役立つことがあります。

自己判断で治そうとすると、かえって負担がかかることもあります。

まずは歯科医院を受診し、原因や治療の必要性について相談しましょう。

2-1 左右どちらか一方の歯で噛む

左右どちらか一方だけで噛む習慣があると、顎の筋肉や嚙み合わせに偏った負担がかかることがあります。

食事の際は、左右の歯でバランスよく噛むことを意識しましょう。

片側でしか噛めない場合は、むし歯や歯周病、嚙み合わせの問題が隠れていることもあるため、歯科医院で確認してもらうことが大切です。

2-2 うつぶせや横向きで寝る

うつぶせ寝や横向き寝は、顎や顔の一部に力がかかることがあります。

長時間同じ姿勢が続くと、顎関節や筋肉に負担がかかる場合があります。

顎への負担が気になる場合は、あお向けで寝るなど、寝る姿勢を見直してみましょう。

2-3 舌の位置が悪い・口呼吸

舌の位置や口呼吸の習慣は、歯並びや口腔機能に影響することがあります。

通常、口を閉じているとき、舌は上顎に軽く触れる位置にあるとされています。

舌が常に下がっている場合や口呼吸が続く場合は、歯並びや嚙み合わせに影響することがあります。

鼻づまりなどで口呼吸になっている場合は、耳鼻咽喉科への相談も検討しましょう。

2-4 食いしばりや歯ぎしり

食いしばりや歯ぎしりは、歯や顎の筋肉、顎関節に負担をかけることがあります。

日中に食いしばっていることに気づいたら、上下の歯を離して力を抜くよう意識しましょう。

睡眠中の歯ぎしりは自分でコントロールしにくいため、歯科医院でマウスピースの作製を相談する方法があります。

2-5 頬杖(ほおづえ)

頬杖は、顎に偏った力がかかる習慣の一つです。

無意識に頬杖をつく癖がある場合は、できるだけ減らすよう意識しましょう。

顎や嚙み合わせへの負担を減らすためにも、日常の姿勢を見直すことが大切です。

3.歯科医院でしゃくれを治療する方法

しゃくれは、必ずしも治療が必要なものではありません。

ただし、見た目の悩みがある場合や、咬みにくい、発音しにくい、顎に負担を感じるといった症状がある場合は、歯科医院で相談してみましょう。

3-1 歯並びが原因の場合は「歯列矯正」

顎の骨格ではなく、歯並びや嚙み合わせが原因で下の前歯が前に出ている場合、歯列矯正が選択肢になることがあります。

■歯列矯正について

歯にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を少しずつ動かす方法があります。

また、症例によってはマウスピース型矯正装置が検討されることもあります。

治療方法は、歯並びや骨格の状態によって異なります。

■メリット・デメリット

メリットとしては、嚙み合わせや歯並びの改善が期待できる場合があります。

また、発音や見た目の悩みが軽減することもあります。

一方で、骨格に問題がある場合は、歯列矯正だけでは十分な改善が難しいことがあります。

また、矯正装置を装着している間は歯磨きが難しくなり、むし歯や歯肉炎のリスクが高まることがあります。

■治療期間の目安

治療期間は、症状の程度や治療範囲、使用する装置によって異なります。

治療後は、歯並びの後戻りを防ぐために保定装置を使用する期間が必要です。

具体的な期間は歯科医院で確認しましょう。

■費用の目安

歯列矯正は自由診療となることが多く、費用は装置の種類、治療範囲、症例の難易度によって大きく異なりますが、70万円~120万円程度が目安となります。
※2026年時点のEPARK歯科掲載情報を参考に編集部集計
検査料、診断料、調整料、保定装置の費用などが別途必要になる場合もあります。

治療前に見積もりを確認しましょう。

3-2 顎の骨格が原因の場合は「外科的手術」

下顎の骨格が上顎より前に出ている場合、外科的手術を伴う治療が検討されることがあります。

■外科的手術について

顎変形症と診断されるような骨格性の下顎前突では、外科的矯正治療が選択肢になる場合があります。

下顎枝矢状分割術などにより、下顎の位置を後方に移動させる方法があります。

多くの場合、手術の前後に矯正治療を行い、嚙み合わせを整えます。

■メリット・デメリット

骨格と嚙み合わせの改善が期待できる場合があります。

一方で、全身麻酔による手術が必要で、入院や術後管理が必要になることがあります。

術後は腫れ、痛み、しびれ、口の開けにくさなどが生じることがあります。

治療には長い期間がかかるため、担当医とよく相談しましょう。

■治療期間の目安

外科的矯正治療では、術前矯正、手術、術後矯正、保定が必要になることがあります。

治療期間は症状や治療計画によって異なります。

■費用の目安

顎変形症と診断され、指定された医療機関で外科的矯正治療を受ける場合、保険適用となることがあります。

ただし、保険適用の条件や費用は症例や医療機関によって異なります。

治療を受ける医療機関で確認しましょう。

4.しゃくれている状態の定義と原因

「しゃくれている」とは、どのような状態を指すのでしょうか。

歯並びが原因で下顎が出ているように見える場合と、骨格が原因で下顎が上顎より前に出ている場合では、治療法が異なります。

4-1 しゃくれとはどのような状態か?

一般的に「しゃくれ」は、下顎が前に出ているように見える輪郭の状態を指すことがあります。

医学的には、骨格性の下顎前突や反対咬合など、原因や状態によって診断名が異なります。

見た目だけでは原因を判断できないため、歯科医院で検査を受けることが大切です。

4-2 しゃくれの原因

しゃくれや受け口の原因には、先天的な要因と後天的な要因があります。

■先天的な原因

顎の骨格や歯並びには、遺伝的要因が関係することがあります。

家族に下顎前突や反対咬合がある場合、同じような傾向がみられることがあります。

■後天的な原因

口呼吸、舌の位置、頬杖、片側噛み、食いしばりなどの習慣が、歯並びや嚙み合わせに影響することがあります。

ただし、これらだけでしゃくれになるとは限りません。

原因を確認するには、歯科医院での診断が必要です。

4-3 しゃくれと受け口の違い

しゃくれと似た状態に「受け口」があります。

受け口は、「反対咬合」や「下顎前突」と呼ばれることもあります。

■しゃくれ

下顎が前に出ているように見える輪郭の状態を指す一般的な表現です。

骨格が原因の場合、歯列矯正だけでは対応が難しく、外科的矯正治療が検討されることがあります。

■受け口

下の歯が上の歯より前に出ているなど、嚙み合わせが通常と反対になっている状態です。

歯並びが原因の場合は、歯列矯正が選択肢になることがあります。

骨格が原因の場合は、外科的治療を伴うこともあります。

しゃくれと受け口は、見た目が似ていても原因や治療法が異なります。

詳しく知るには、歯科医院で検査を受けましょう。

5.まとめ

しゃくれは個性の一つでもあり、必ず治療しなければならないものではありません。

しかし、見た目に悩みがある、嚙み合わせが悪い、発音しにくい、顎に負担があるといった場合は、歯科医院で相談することをおすすめします。

しゃくれや受け口にはいくつかの原因があり、治療法も異なります。

自己判断で改善しようとせず、まずは歯科医院で原因や治療の必要性を確認してもらいましょう。

【参考サイト】

・日本矯正歯科学会
https://www.jos.gr.jp/

・日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/

・日本顎変形症学会
https://www.jawd.jp/

・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/

・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/

明海大学 歯学部 病態診断治療学講座
山本信治教授監修
経歴・プロフィール

明海大学 歯学部 病態診断治療学講座 口腔額顔面外科学分野Ⅰ 主任教授
東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座 客員教授

【略歴】
東京歯科大学卒業
東京歯科大学大学院歯科学研究科(口腔外科学専攻) 修了
東京歯科大学口腔外科学第一講座 病院助手
東京歯科大学口腔外科学講座 助手
学命により中国北京大学口腔医学院顎顔面口腔外科講座に研究留学
東京歯科大学口腔がんセンター 講師
東京歯科大学口腔外科学講座 講師
東京歯科大学口腔外科学講座 准教授
神奈川歯科大学大学院歯学研究科歯学教育学講座 准教授
神奈川歯科大学 客員教授 臨床教授
東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座 講師
明海大学 歯学部 病態診断治療学講座 主任教授
東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座 客員教授
現在に至る

ドクター詳細ページへ
大橋 和文監修
経歴

1987年 日本歯科大学 卒業
1987年~1996年12月 氷川下セツルメント病院歯科勤務
1997年 歯科大橋 開業
現在に至る

詳細を見る
執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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