毎日の歯磨きでは、一般的な3列タイプの歯ブラシを使っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、歯並びが複雑な部分や奥歯、矯正装置の周囲などは、通常の歯ブラシだけでは磨き残しが出やすいことがあります。
そのような部分の清掃に役立つ補助清掃用具の一つが「ワンタフトブラシ」です。
ワンタフトブラシは毛束が小さく、通常の歯ブラシでは届きにくい部分をピンポイントで磨きやすい特徴があります。
この記事では、ワンタフトブラシの使い方や活用しやすい部位について解説します。
この記事の目次
1.ワンタフトブラシの特徴と使い方
1-1 ワンタフトブラシは磨きにくい部分の清掃に役立つ
ワンタフトブラシは、次のような歯垢がたまりやすい部分の清掃に役立ちます。
- 歯と歯ぐきの境目
- 矯正装置の周囲
- ブリッジの周囲
- 生えきっていない親知らず
- 歯の根が露出した部分
- 上の前歯の裏側
口の中の状態は人によって異なります。
ワンタフトブラシは、通常の歯ブラシで磨きにくい部分を補助的に清掃する目的で使用するとよいでしょう。
1-2 ワンタフトブラシは通常の歯ブラシと併用する
ワンタフトブラシは、通常の歯ブラシの代わりではなく、補助的に使う清掃用具です。
先にワンタフトブラシで磨きにくい部分を清掃し、その後に通常の歯ブラシで全体を磨く方法があります。
使用時間は口腔内の状態や磨く部位によって異なります。
無理に時間を決めるよりも、磨き残しやすい部分に毛先が届いているかを意識することが大切です。
2.ワンタフトブラシの効果的な使い方7つ
2-1 歯と歯ぐきの境目を磨く
ワンタフトブラシは、歯と歯ぐきの境目を磨くときに使いやすい清掃用具です。
歯と歯ぐきの境目はプラークがたまりやすく、歯肉炎や歯周病の原因になることがあります。
持ち方は、ペンを持つように軽く握るペングリップが基本です。
安定感のある「ペングリップ」での持ち方

◆歯と歯ぐきの境目をなぞるように磨く
毛先を歯と歯ぐきの境目に軽く当て、小さく動かしながら磨きます。
強く押しつけると歯ぐきを傷つけることがあるため、やさしい力で行いましょう。

2-2 歯並びが複雑な部分を磨く
歯並びが重なっている部分や凹凸がある部分は、通常の歯ブラシでは毛先が届きにくいことがあります。
そのような部分には、ワンタフトブラシを使って1本ずつ磨く方法があります。
◆ブラシの先を歯面に当てて磨く
ブラシの毛先を歯面に軽く当て、小さく動かしながら清掃します。
歯ぐきに炎症がある場合は、やわらかめの毛を選び、刺激を与えすぎないようにしましょう。


2-3 矯正装置の周囲を磨く
矯正装置の周囲は汚れがたまりやすく、通常の歯ブラシだけでは清掃が難しい場合があります。
ブラケットやワイヤーの周囲は、ワンタフトブラシを使うと細かく磨きやすくなります。
◆装置の周囲を小さく動かして磨く
ブラシを装置の周囲やワイヤーの下に当て、奥から手前へかき出すように動かします。
矯正治療中はむし歯や歯肉炎のリスクが高まることがあるため、歯科医院で清掃方法の指導を受けることも大切です。


2-4 ブリッジ部分を磨く
ブリッジの周囲は食べ物やプラークがたまりやすい部分です。
特にポンティックと呼ばれる人工歯の下部は、通常の歯ブラシだけでは清掃しにくいことがあります。
◆ポンティック周囲にブラシを当てて清掃する
ワンタフトブラシをポンティック周囲に当て、小さく動かしながら清掃します。
部位によっては歯間ブラシやスーパーフロスが適している場合もあります。

2-5 生えきっていない親知らずを磨く
親知らずが途中まで生えている状態では、歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすくなります。
このような場合、ワンタフトブラシを使って親知らず周囲を清掃する方法があります。
◆鏡で確認しながら磨く
鏡を見ながら毛先を親知らずに当て、小さく動かして磨きます。
腫れや痛みがある場合は無理に磨かず、歯科医院を受診しましょう。

2-6 歯の根が露出した部分を磨く
歯ぐきが下がって歯の根が見えている部分は、プラークがたまりやすく、知覚過敏や根面う蝕のリスクが高まることがあります。
◆やわらかい毛先でやさしく磨く
露出した歯根面は刺激に敏感なことがあります。
やわらかめのワンタフトブラシを使用し、強くこすらないようにしましょう。
歯磨き粉を使う場合は、低研磨タイプやフッ化物配合のものを選ぶ方法があります。

2-7 上の前歯の裏側を磨く
上の前歯の裏側は凹凸があり、通常の歯ブラシでは磨きにくいことがあります。
◆小さく動かして磨く
ワンタフトブラシを歯面に軽く当て、小さく動かして磨きます。
持ち方はペングリップを基本とし、磨きにくい場合は安定して持てる方法で行いましょう。
手の平でしっかり握る「パームグリップ」での持ち方

ひじをついて安定させた状態で磨いていく

3.ワンタフトブラシの選び方
ワンタフトブラシを選ぶ際は、毛の硬さやヘッドの形、持ちやすさを確認しましょう。
歯ぐきに炎症がある場合や知覚過敏がある場合は、やわらかめの毛を選ぶとよいでしょう。
また、奥歯や矯正装置の周囲を磨く場合は、ヘッドが小さく操作しやすいものが適しています。
PBT毛材など、耐久性に配慮した素材を使った製品もありますが、商品ごとに特徴が異なります。
自分に合うものが分からない場合は、歯科医院で相談しましょう。
4.ワンタフトブラシに合わせる歯磨き剤
ワンタフトブラシを使う際は、必要に応じて歯磨きジェルなどを併用できます。
ジェルタイプは毛先にのせやすく、細かい部分の清掃に使いやすい場合があります。
フッ化物配合の歯磨き剤は、むし歯予防に役立つとされています。
また、殺菌成分や抗炎症成分を配合した製品もありますが、成分の効果や適応は製品によって異なります。
症状がある場合は、自己判断で使い続けず歯科医院で相談しましょう。
価格は商品や販売店によって異なるため、購入前に確認してください。
5.まとめ
ワンタフトブラシは、通常の歯ブラシでは磨きにくい部分を清掃する補助清掃用具です。
特に、
・歯と歯ぐきの境目
・歯並びが複雑な部分
・矯正装置の周囲
・ブリッジの周囲
・生えきっていない親知らず
・歯の根が露出した部分
・上の前歯の裏側
などに活用しやすい特徴があります。
毎日の歯磨きでは、通常の歯ブラシで全体を磨き、ワンタフトブラシで磨き残しやすい部分を補助的に清掃するとよいでしょう。
自分に合った使い方を知るためにも、歯科医院でブラッシング指導を受けることをおすすめします。
【参考サイト】
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本口腔衛生学会
https://www.kokuhoken.or.jp/
・日本矯正歯科学会
https://www.jos.gr.jp/
・日本小児歯科学会
https://www.jspd.or.jp/
時間は気にしないで、すべての歯が磨けるまで、隅々まで磨きましょう!
電話:03-3601-7051

執筆者:
歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。
