訪問歯科診療とは?対象者や診療内容、費用まで詳しく解説!

    訪問歯科診療とは?対象者や診療内容、費用まで詳しく解説!

    この記事の目次

    1.訪問歯科診療ってどんなサービス?

    訪問歯科診療という言葉を聞いたことがない方のために、ここでは訪問歯科診療の基礎知識についてご紹介していきます。今、広がりを見せている訪問歯科診療は、どのようなサービスなのでしょうか。

    訪問歯科診療の概要

    訪問歯科診療とは、歯科医師や歯科衛生士が患者さんのお宅を訪問し、歯科診療をおこなうサービスのことです。

    介護を受ける高齢者や障害者などの場合、抵抗力も低いため、特に口腔ケアが重要になります。自分では口腔ケアが行えないことが多く、家族などの身近な介護者だけでは、十分な口腔ケアが行えるとも限りません。そのため、介護の上でも、訪問歯科診療は重要な役割を担っているのです。

    訪問歯科診療の対象者

    訪問歯科診療診療を受ける患者さんは、歯医者さんを受診できない自宅介護を受けている人などが中心です。希望すれば誰でも利用できるわけではなく、原則として自力での通院が困難な人のみに限られます。

    訪問歯科診療の診療内容

    訪問歯科診療診療では、まずは検診をし、検査をしてから治療や口腔ケアを行います。場合によっては、1回目の訪問で歯科衛生士が検診をし、2回目以降から必要な治療に入る診療システムをとっているところもあります。

    治療の内容としては、虫歯治療や歯周病などの治療を中心に、トラブルがない口腔状態になるまで診療してくれます。また、虫歯は一度治っても再度発症することがあるため、定期的な検診なども実施してくれます。

    訪問歯科診療の依頼方法

    初めて訪問歯科診療診療を依頼する場合には、日本訪問歯科診療協会のコールセンターに電話します。口腔内の状況や住所、連絡先等を伝えると、近隣の協会加盟の歯医者さんから、訪問日時の連絡が入ります。診療当日は、歯医者さんが歯科機材などを持ち込んで、自宅で治療をしてくれます。

    訪問歯科診療の医療費負担割合

    訪問歯科診療においても、一般の歯科診療同様に保険が適用されます。保険適用内の治療を受ける場合の保険適用割合については以下のとおりです。

    ・国民保険 3割負担
    ・社会保険 3割負担
    ・老人保健 1割負担
    ・介護保険(在宅での口腔ケア) 1〜2割負担
    ・障害者手帳を持っていると各条件に合わせて医療費負担

    介護保険の場合は、1ヶ月4回まで利用可能です。生活保護を受給している場合は、原則無料で診療を受けられます。

    ここで注意したいのは、自由診療を受ける場合には全額負担となることです。また、すべての治療が訪問歯科診療で受けられるわけではありませんので、詳しい治療費や治療内容については、依頼する歯医者さんに事前に尋ねておくといいでしょう。

    訪問歯科診療の現状

    口腔内に問題を抱えていても、一緒に付き添ってくれる家族がいないなどの理由で、歯医者さんを受診できない高齢者や障害者は多いです。家族がいても、車の運転ができないなどの理由で、歯医者さんまで行けない人もいます。

    要介護者の約74%は、歯科治療が必要である状況にあります。しかし、その中で実際に歯医者さんに診てもらったのは約27%で、半分以上もの要介護者が、適切な歯の治療を行えていないことになります。

    また、歯科治療が必要な患者さんの数は増えているのにもかかわらず、訪問歯科診療を行う歯医者さんの数はまだまだ不足しています。訪問歯科診療の実施割合には地域差もみられ、中には訪問歯科診療を実施している歯医者さんが20%以下しかない都道府県もあります。

    2.訪問歯科診療のメリットとは?

    ここでは改めて、訪問歯科診療がもたらすメリットをご紹介していきます。

    生活が快適になる

    歯が痛いなどの状況になると、我慢できない人がほとんどではないでしょうか。口腔内が不快だと、笑うことや話すこと、食べることなどに支障が出てきます。

    高齢者や障害者などの要介護者も同じで、口の中がスッキリしなければ、不快さを感じます。訪問歯科診療があり、歯の健康や快適さが保たれれば、毎日の生活も快適なものになるはずです。

    肺炎発症率が低い

    口腔ケアをしている人としていない人では、肺炎発症率に差があることが分かっています。こういった医学調査によっても、口腔ケアの重要性は分かっていただけると思います。

    参照元:肺炎予防と口腔ケア(一般訪問歯科教会)

    認知症とも関連がある

    他にも、歯が20本以上残っている人と残っていない人を比べた神奈川歯科大学の調査でも、認知症発症率に違いが表れています。20本以上の歯が残っている人に比べると、ほとんど歯がない状態なのに義歯などを使用していない人の場合、認知症発症リスクは約1.9倍もあります。

    残っている自分の歯の本数を残存歯数といいますが、残存本数をより多く保つには、きちんと口腔ケアをすることが大切です。歯に不調があればすぐに歯医者さんに通う、在宅介護になっても訪問歯科診療診療などを利用すれば、歯の健康を保つだけでなく、全身の健康を保つことができるかもしれません。

    参照元:歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に~厚労省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを分析~

    3.訪問歯科診療のデメリットとは?

    次は、訪問歯科診療診療を受けるデメリットについて触れていきます。訪問歯科診療を利用すれば、健康を保つことにはプラスになることばかりですが、注意点もあるので確認しておきましょう。

    誰でも利用できるわけではない

    訪問歯科診療は希望すれば誰でも利用できるわけではなく、訪問できる範囲が決められています。訪問歯科診療が受けられるのは、訪問歯科診療を実施する歯医者さんから16km以内に自宅や病院、施設がある場合に限ります。

    自宅や病院、施設が16km以内にない場合には、訪問歯科診療診療を依頼することができませんので注意してください。

    治療費がかかる

    訪問歯科診療を受けるには治療費がかかります。例えば、自宅で訪問歯科診療診療を受けた場合、1回の料金構成は以下のようになります。

    ・検査治療費(内容によって変わる)
    ・歯科訪問診療料 (〜1,000円程度)
    ・指導料 (〜500円程度)

    <検査治療費>
    診療を受ける人の口腔内の状況によって変わります。部分入れ歯であれば数千円程度で済む場合もありますが、総入れ歯にすれば、15,000円程度かかってしまう可能性もあります。

    <指導料>
    歯科医師が実施するか、歯科衛生士が実施するかで料金が変動する場合があります。

    中村達哉 先生監修
    経歴

    2000年 横浜歯科技術専門学校 卒業
    2000~2003年 横浜市内歯科医院院内ラボ 勤務
    2010年 鶴見大学歯学部 卒業
    2010年 鶴見大学歯学部附属病院 勤務
    2011年 ランドマーク歯科三島 勤務
    2013年 スカイビル歯科 勤務
    2015年 大和駅前歯科 継承開院
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

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