歯の黒ずみは、着色汚れやむし歯、詰め物・被せ物の影響など、さまざまな原因で起こることがあります。
原因によっては、歯磨きだけでは落とせないことがあります。
放置するとむし歯や歯周病が進行する場合もあるため、気になる黒ずみがある場合は歯科医院で確認してもらいましょう。
ここでは、歯が黒ずんで見える原因と、原因に応じた治療法、歯磨きだけで落とせない理由を紹介します。
この記事の目次
1.歯に黒ずみができる6つの原因
1-1 むし歯
むし歯が進行すると、歯が茶色や黒色に変色することがあります。
初期のむし歯では白く濁って見えることもありますが、進行すると穴が開いたり、黒ずんで見えたりする場合があります。
黒ずみが小さくても、歯の内部でむし歯が広がっていることがあります。
気になる黒ずみがある場合は、歯科医院で診察を受けましょう。
1-2 歯周病や歯肉の炎症
一般的な歯周病では、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどがみられることがあります。
歯そのものが突然黒ずむというより、歯石や着色、歯ぐきの状態の変化によって黒っぽく見える場合があります。
また、急性壊死性潰瘍性歯肉炎など、まれに歯肉が強く炎症を起こす病気では、歯ぐきの変色や強い口臭、痛みを伴うことがあります。
このような症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
1-3 喫煙・飲食物
紅茶、コーヒー、赤ワイン、カレーなどの色素が強い飲食物や、タバコのヤニによって、歯の表面に着色汚れが付くことがあります。
付着したばかりの汚れは歯磨きで落とせることもありますが、長期間蓄積すると自宅でのケアだけでは落としにくくなります。
この場合は、歯科医院でのクリーニングが選択肢になります。
なお、喫煙は着色だけでなく、歯周病など口腔内の健康にも影響することがあります。
1-4 歯の神経の失活
むし歯や外傷などによって歯の神経が失活すると、歯が徐々に黒っぽく変色することがあります。
これは歯の内部で起こる変色のため、通常の歯磨きでは改善が期待できません。
状態によっては、根管治療や被せ物、失活歯に対するホワイトニングなどが検討されることがあります。
1-5 銀歯などの詰め物・被せ物
銀歯などの金属の詰め物や被せ物が原因で、歯や歯ぐきが黒っぽく見えることがあります。
金属成分が歯や歯ぐきに沈着することで、黒ずみとして見える場合があります。
また、詰め物の周囲にむし歯ができると黒く見えることもあります。
治療方法は原因や状態によって異なり、詰め物の交換や被せ物の作り直しなどが検討されます。
1-6 薬の影響
歯の形成期にテトラサイクリン系抗菌薬の影響を受けると、歯が褐色、灰色、縞模様のように変色することがあります。
変色の程度には個人差があります。
気になる場合は、ホワイトニング、ラミネートベニア、被せ物などが選択肢になる場合があります。
2.歯の黒ずみの治療法
2-1 クリーニング
歯の表面に付いた着色汚れや歯石は、歯科医院のクリーニングで落とせる場合があります。
専用の器具を使い、歯と歯の間や歯磨きでは届きにくい場所の汚れを取り除きます。
ただし、クリーニングは歯本来の色以上に白くする処置ではありません。
むし歯や歯の内部の変色には別の治療が必要です。
2-2 ホワイトニング
ホワイトニングは、薬剤を使って歯の色を明るくする処置です。
歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅で専用のマウスピースを使うホームホワイトニングがあります。
ただし、詰め物や被せ物、金属による変色、むし歯による黒ずみには効果が期待できないことがあります。
黒ずみの原因を確認したうえで、適応があるか歯科医院で相談しましょう。
2-3 コンポジットレジン
コンポジットレジンは、歯科用の白い樹脂材料です。
むし歯で黒ずんだ部分を削ったあとに詰めて修復することがあります。
歯の色に近い材料を選べるため、比較的目立ちにくい修復が期待できる場合があります。
ただし、欠けた範囲や噛み合わせによっては適さないこともあります。
2-4 セラミック
セラミックは、被せ物やラミネートベニアなどに用いられる材料です。
むし歯治療後の被せ物や、強い変色への対応として検討されることがあります。
天然歯に近い歯の色や形態の調整を目的として使用されることがあり、多くの場合は自由診療となります。
また、治療内容によっては歯を削る必要があります。
2-5 ブリッジ
黒ずんだ歯を保存できず抜歯した場合、失った歯を補う方法の一つにブリッジがあります。
ブリッジは、抜歯した部分の前後の歯を支えにして人工歯を装着する治療法です。
保険診療で対応できる場合もありますが、部位や材料、歯の状態によって条件が異なります。
装着後は、支えになる歯の周囲を丁寧に清掃する必要があります。
2-6 インプラント
抜歯が必要になった場合、歯を補う方法の一つにインプラントがあります。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
自由診療となることが多く、外科処置が必要です。
顎の骨や全身状態によっては適応できない場合もあります。
ブリッジや入れ歯など、他の治療法と比較しながら検討しましょう。
3.歯の黒ずみが歯磨きで落とせない理由
歯の黒ずみには、表面の着色汚れによるものと、むし歯や歯の内部の変色、詰め物・被せ物の影響によるものがあります。
表面の軽い着色であれば、歯磨きで落とせることもあります。
しかし、長期間蓄積したステインや歯石、むし歯による黒ずみ、神経が失活した歯の変色などは、歯磨きだけでは改善が難しいです。
歯磨きはむし歯や歯周病の予防に大切ですが、すでに起きている黒ずみの原因によっては、歯科医院での処置が必要になります。
4.まとめ
歯の黒ずみには、むし歯、歯周病や歯肉の炎症、飲食物や喫煙による着色、歯の神経の失活、金属の詰め物や被せ物、薬の影響など、さまざまな原因があります。
原因によって治療法は異なります。
歯磨きだけで落ちない黒ずみや、痛み・しみる症状を伴う黒ずみがある場合は、早めに歯科医院で診察を受けましょう。
【参考サイト】
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本歯科保存学会
https://www.hozon.or.jp/
・日本歯周病学会
https://www.perio.jp/
・日本補綴歯科学会
https://www.hotetsu.com/
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。
