歯がギザギザになる5つの原因と治療法・予防策も紹介!

歯がギザギザになる5つの原因と治療法・予防策も紹介!

自分の歯がギザギザしていることに気づき、なぜなのか疑問に思ったことはありませんか?人前で思いきり笑ったりするときに、このギザギザが気になってしまうこともあるかもしれません。

この記事では、歯がギザギザになる5つの原因と、ギザギザを改善する方法、予防策などを解説しています。

「自分や家族の歯がギザギザしている」「このまま放っておいても大丈夫なのか」「治療法があるとすればどんな方法なのか」など、疑問や不安を持っている人はぜひ、参考にしてください。

この記事の目次

1.歯がギザギザになる5つの原因

1-1 永久歯への生え変わりによるもの

子どもの歯を仕上げ磨きしているとき「あれ、どうして前歯がギザギザなのかな」と思ったことはありませんか?

永久歯に生え変わったばかりの前歯は「発育葉(はついくよう)」と呼ばれ、ギザギザしていることが多いです。上下の歯でしっかりと噛むようになると少しずつすり減り、2~3年ほどで平らになっていきます。

永久歯に生え変わって2~3年が経過しても前歯がギザギザしているときは、きちんと前歯を使えていない可能性があります。

1-2 歯並び

前歯には「食べ物を噛み切る・ちぎる」役割があります。出っ歯や受け口など上下のかみ合わせに問題があり、前歯を使う機会が減ってしまうと、時間が経っても歯が平らにならず、ギザギザが残ってしまうことがあります。

同様に、前歯を使って噛み切る・ちぎる習慣そのものがついていない場合も、ギザギザが残ってしまうことがあります。

1-3 酸蝕症

「酸」が原因で歯が溶ける病気を酸蝕症(さんしょくしょう)と言います。酸性度の高い飲食物をだらだら口にする、摂食障害などによる嘔吐がある、逆流性食道炎を患っているといった人は酸蝕症になりやすいとされています。

飲食物に含まれる酸や、胃液に含まれる酸などが歯に少しずつダメージを与えていくためです。

酸蝕症になると徐々に歯が薄く・もろくなり、変色やひび割れを起こしたり、歯先がギザギザになったりすることがあります。初期段階では痛みなどの症状がないことや、ゆっくり時間をかけて進行していくことから、大変気づきにくい病気です。

1-4 加齢

加齢にともない、歯がもろくなってしまうことがあります。強く噛みしめたりしたときなどに割れてしまう、欠けてしまうなどしてギザギザになることがあります。

1-5 歯ぎしり、食いしばり

歯ぎしりや食いしばりによって歯に加わる力は60kg~80kgほどと言われています。食事の際の力が10kg程度と言われているので、歯ぎしりや食いしばりといった癖がある人は、歯に大きな負担がかかっていることになります。

こうした癖があると、奥歯だけでなく前歯にも過度な力がかかっている場合があります。歯が割れるなどのリスクが生じてくると言えます。

2.歯のギザギザの原因別・治療法

ギザギザの原因が歯並びなら矯正治療、それ以外の場合は症状によって一般診療や美容的な施術、といったように原因と症状によって治療法が分かれてきます。

2-1 歯並びが原因なら矯正治療

歯のギザギザの原因が、出っ歯や受け口といった「不正咬合(ふせいこうごう)」の場合、矯正治療で整える方法があります。

矯正治療には、ワイヤーを用いたワイヤー矯正、裏側に器具を装着するリンガル矯正のほか、マウスピース矯正、セラミック矯正(歯の形を整えたあとセラミック製の人工歯を被せる方法)などがあります。

それぞれ、治療にかかる期間や費用、適用可能な歯などが異なるため、詳しくは歯医者さんで相談しましょう。

なお、顎変形症など顎の骨が原因で歯並びに問題がある場合、骨を削るなどして歯並びを改善する治療もあります。その場合、保険が適用される可能性があります。

矯正治療により歯並びが整い、歯のギザギザも改善されると、笑顔に自信が持てるようになるだけでなく、将来起こるかもしれない顎関節症といった不調を予防できる可能性も高くなります。

2-2 酸蝕症が原因なら歯科治療・美容治療も

酸蝕症が原因で歯がギザギザになってしまった場合、一般診療と美容治療という2つのアプローチがあります。見た目をきれいに整えることを目的とした処置は、保険が適用されないケースもあります。

自分の症例が保険適用になるかどうか、事前に歯医者さんに確認しておきましょう。

■一般診療

かみ合わせや、歯自体に問題(虫歯、歯周病、知覚過敏など)がない場合、ギザギザした部分を研磨し、レジンを詰めるといった方法があります。

■美容治療

ギザギザの範囲が広い場合や変色が起こっている場合などは、歯と同じ色のラミネートベニアというセラミックの板を貼りつける方法や、歯の色をした樹脂を詰めるダイレクトボンディングといった方法があります。

■根本を改善することが重要

酸蝕症が改善されなければ歯は溶け続けてしまいます。

酸蝕症の治療法は、原因となっているもの・こと(酸性度の強い飲食物をよく口にする、歯磨きをあまりしない、摂食障害や逆流性食道炎を患っている等)を改善することが第一です。

2-3 加齢が原因なら、まずは歯医者さんに相談を

加齢が原因で歯がもろくなり、ギザギザになっている場合、詰め物などで修復する方法があります。

しかし、歯そのものが非常に弱っていて詰め物などでは対応できない場合、被せ物(クラウン)をするといった本格的な治療が必要になることもあります。

今その治療をすべきか、メリット・デメリットを踏まえて検討すると良いでしょう。症状や被せ物の素材などにより、保険適用かどうか変わってきます。

2-4 歯ぎしり、食いしばりにはマウスピース

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、削ったりレジンを詰めたりして一時的に整えても、時間の経過とともにギザギザの歯に戻ってしまうリスクが残ります。

このようなケースでは、マウスピースを装着し歯ぎしりや食いしばりの解消を図る方法があります。マウスピースは歯医者さんで作製してもらえますが、保険適用外のケースもあるため確認しておきましょう。

3.ギザギザの歯にならないための予防策

ここでは、大切な歯がギザギザにならないように、私たちにできる予防法を紹介します。日頃の生活スタイルを振り返り、心当たりがある人は見直すところから意識して取り組んでいきましょう。

3-1 食生活の改善

①食事の際は、奥歯で噛むだけでなく、前歯をしっかり使って噛み切ることも意識しましょう。噛み切る必要がある食べ物を採り入れるのも良いでしょう。

また、特に子どもの場合、前歯でしっかり噛む習慣をつけることで、ギザギザの歯を予防できるだけでなく、顎や顔の筋肉の発育を促すことにもつながります。

良く噛むように教えるとともに、食材を大きく切る、短冊切りにするなど調理方法を工夫して噛んでもらうようにしましょう。

②酸性の飲食物(清涼飲料水、かんきつ類、ワインなどのお酒、酢など)を長時間にわたって、だらだらと食べたり飲んだりしないようにしましょう。

また、たとえ短時間であっても頻繁に摂取することも控えましょう。酸性の飲食物をとったあとはうがいをする、歯磨きをするといった習慣をつけることもおすすめです。

「酸蝕症の人は、飲食直後で口の中が大きく酸性に傾いた状態での歯磨きは、注意が必要である」とする考え方もあります。適したタイミングや力加減を歯医者さんに確認しておくと良いでしょう。

3-2 生活習慣の改善

①歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、歯医者さんに相談してマウスピースを作製することも検討しましょう。

歯ぎしりや食いしばりはストレスなども原因になると考えられています。運動する、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを上手に発散できる方法を探しておくことも大切です。

②頬杖をつく癖や、子どもの指しゃぶりなどは、歯並びに影響する恐れがあります。気づいたときにやめるように促しましょう。

3-3 持病の治療

①摂食障害や逆流性食道炎がある人は、胃液に含まれる酸によって歯がダメージを受けてしまうことがあります。摂食障害であれば心療内科や精神科などを、逆流性食道炎であれば胃腸内科や消化器内科などを受診して、症状の解消目指しましょう。

②酸蝕症はセルフチェックでは発見しにくい病気です。早期発見、早期対処のためにも、ぜひ歯医者さんの定期検診を受けましょう。

4.まとめ

歯のギザギザ自体は病気ではないため、過度に気にすることはないでしょう。

しかし、発育葉といった治療が必要ないものから、酸蝕症・摂食障害・逆流性食道炎といった治療が求められるものまで原因はさまざまで、治療法も異なります。

この記事を、歯医者さん含め医療機関を受診するかどうかの目安にしてみてください。改善できる食生活や生活習慣がある人は、できるところから見直していきましょう。

コメント

歯のギザギザは放置しておくと歯の欠損へと繋がる場合もあるので、気が付いたら歯科を受診して歯医者さんに早めに相談しましょう。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

ページトップへ