歯のブリッジの費用は?保険適用内から適用外まで徹底紹介!

歯のブリッジの費用は?保険適用内から適用外まで徹底紹介!

「ブリッジ」は、抜けた歯を補う治療方法の一つです。隣接する左右の歯を支台にして人工の歯を渡します。条件が合えば、白い人工歯を保険適用でつけられ、治療費用を抑えられます。

この記事では、ブリッジが保険適用される条件や費用の目安を紹介しています。

隣り合う健康な歯を削って加工しなければならないのがブリッジの難点ですが、メリットを理解したうえで、ブリッジが良いかほかの方法が良いか、検討すると良いでしょう。

※費用は歯の教科書調べ(2019年1月)。保険適用後の費用は3割負担を例として記載しています。

この記事の目次

1.ブリッジの保険適用の条件と費用

抜けた歯をブリッジで補う場合、保険適用の範囲であれば、前歯1本あたり約2万円、奥歯1本あたり約1万円と概算できます。これが費用の目安となります。

ただし、保険が適用される治療には細かな規定があるので、まずそれを把握しておくことが大切です。

1-1 保険の適用が可能な条件

ブリッジ治療で保険が適用される条件は、歯の部位や本数、支台にする歯の状況、ダミー歯の材質などによって異なってきます。

主な条件は次の通りです。「歯列番号」はイラストを参考にしてください。

歯列における適用条件

  • ・1本または連続した2本の歯
    ・前歯は連続した4本(1番・2番)まで
    ・支台となる両隣の歯に問題のないこと
    ・両隣に歯のないいちばん奥の歯(7番)

※後ろ方向にダミーの歯をかける「延長ブリッジ」は、7番と、両隣の歯の状況からやむを得ない場合の2番、4番のみ保険適用が認められます。

「歯列番号」を記載した歯のイラスト

使用する素材の条件

ブリッジで白い素材の歯を入れられるのは、基本的に1番から3番の歯と、小臼歯(4番、5番)、下の大臼歯(6番)となります(※)。

金属の本体に白い硬質レジンを被せたもの(硬質レジン前装冠)です。

※大臼歯(6番)にCAD/CAM冠という白い歯を入れるには、大臼歯(7番)が上下4本ともそろっている場合です。上下の大臼歯(7番)も、金属アレルギーである場合は可能になるなど、細かい条件があります。

1-2 費用の内訳

  • ・診断料、維持管理料…1300円程度目安(処置する歯の本数による)
    ・人工歯の形成、型取り、装着(失活歯の場合)…1500~1万5200円程度
    ・材料など…1500円から1万8000円程度

歯の本数や素材に、高強度硬質レジンを用いるかどうか、などによって費用に幅が出てきます。また、ブリッジに限ったことではありませんが、治療後に口内の状況に合わせケアする費用は別途必要です。

2.保険適用外の費用

2-1 素材による費用の違い

1章で紹介した条件に合わない場合は、保険適用外の自由診療となり、10割自己負担となります。

自由診療の場合は、取り扱っている素材や保証期間の長短など対応が歯医者さんにより異なるため、費用に幅があります。見た目の美しさや使用感、耐久性が向上するにつれて、費用が高くなっていきます。

下記は、素材ごとの一般的な費用の目安です。

歯3本に対し治療する場合(税込)
ハイブリッドセラミック13万円~30万円程度
メタルボンド16万円~35万円程度
ゴールド20万円~39万円程度
オールセラミック26万円~49万円程度

2-2 各ブリッジ素材の特徴

保険適用となる素材として、硬質レジンや銀パラジウムが使用されますが、保険適用外の素材はナチュラルな見た目や耐久性に優れているといえます。

金属アレルギーがある方に使用できる素材もあります。

ハイブリッドセラミック

レジンとセラミックを混ぜあわせた素材を被せたものです。天然の歯に近い見た目が魅力ですが、他と比べるとすり減りやすく、長期間の使用で変色する場合もあります。

メタルボンド

金属フレームにセラミックを焼き付けた素材です。ハイブリッドセラミックよりも透明感があり美しいです。強度にも優れており、変色もしにくいです。

ゴールド

見た目は金色が目立ってしまいますが、天然の歯に近い硬さなので、かみ合う歯を傷めにくいという利点があります。

また、ゴールドは歯への密着性が良く隙間ができにくいため、虫歯のリスクを下げることが期待できます。

オールセラミック

天然歯のような透明感があり、変色もほとんどないうえ、耐久性が高く、金属アレルギーの心配もありません。

2-3 なるべく削らないブリッジ

自由診療で、両隣の歯をなるべく削らないブリッジがあります。両隣の歯のエナメル質を削る量を押さえることで、虫歯になりにくい状態を目指す方法です。

両隣の歯に人工歯を設置するための装置を着ける方法や、両隣の歯と人工歯をピンで固定する方法などがあります。

歯の状態によっては適用できない場合があり、歯医者さんによって対応が異なります。興味ある方は、その歯医者さんで取り扱いがあるか、メリット、デメリット、費用などと一緒に問い合わせてみましょう。

3.ブリッジ以外の治療法

ブリッジ以外にも、抜けた歯を補う治療法があります。ブリッジ以外の選択肢としては、部分入れ歯とインプラントが挙げられます。

この2つの治療法と費用の目安について知っておくことも、自分に合った治療法が何なのかを考えるポイントになるはずです。

3-1 ブリッジ以外の治療法と費用

部分入れ歯

抜けた歯が連続して3本以上の場合、ブリッジは保険適用外となりますが、こうしたケースでは、保険適用内で部分入れ歯にすることも可能です。素材は、人工歯がレジンで歯にかけるバネ部分が金属になります。

部分入れ歯の費用は、5000円から2万円程度となります。自由診療の場合は、費用は歯医者さんごとに異なります。

インプラント

人工的な歯根を埋め込むインプラントは、原則自由診療です。治療費用は、1本あたり31万円から50万円程度(税別)が目安となります。素材によっては、ブリッジの自由診療と費用的にあまり変わらない場合もあります。

ブリッジの場合、ブリッジをかける歯を削らなければなりませんが、インプラントではその必要がありません。一方、ブリッジと比べて治療期間が長くかかります。

3-2 部分入れ歯やインプラントとブリッジの比較

入れ歯にはしたくないし、インプラントは外科的な治療が必要でためらってしまう方にとって、ブリッジは選択肢の一つと言えます。

部分入れ歯やインプラントと比較して、ブリッジはどんな点に優れているか、またどこに注意すれば良いかを見てみましょう。

保険適用内であれば経済的負担を抑えられる

保険の適用範囲内のブリッジであれば、インプラントや自由診療の部分入れ歯と比べて経済的負担を抑えられます。ただし、より良い見た目や機能性などを求める場合、ほとんどは保険適用外です。

部分入れ歯よりも費用の負担は大きくなり、選ぶ素材などによってはインプラントと同等になることもあります。

治療期間が比較的短い

部分入れ歯、インプラントと比較すると、治療期間が短めであることが魅力です。神経を残せるかなど、歯の状況にもよりますが、早いケースであれば3回程度、1週間ほどで処置できる可能性もあります。

一方、部分入れ歯の場合は、2週間から3カ月程度。インプラントでは、顎の骨の結合状態にもよりますが、数カ月から6カ月以上になることが多いです。

食感を保つことができる

生きた歯で食事をすると、温度や歯ごたえ、柔らかさなどを感じることができ、それがおいしく感じることに関わってきます。

部分入れ歯では難しいと言われていますが、ブリッジは生きた歯を土台にするので、顎の骨に固定するインプラントと並び、それまでと同じような食感を保つことができます。

食べ物のカスは詰まりやすいため、食後の歯磨きなどケアは大切にしましょう。

ズレや緩みがない

部分入れ歯は固定式ではないため、外れてしまうことがあります。またインプラントは、ネジで固定されているため、緩んでしまうこともあります。

ブリッジは、接着剤によって左右の歯にしっかりと固定されています。虫歯ができて接着が悪くなったりしないかぎり、自分の歯のように気にせず使用できると言われています。

ただし、ブリッジで人工歯を設置している部分は歯が抜けた状態なので、顎の骨が時間の経過とともに痩せてしまうことがあります。口内で問題が起きていないか、定期的に歯医者さんに診てもらうのが良いでしょう。

外科的な処置が不要

インプラントでは、人工の歯根を埋め込むため、歯茎を切ったり骨を削ったりといった外科的な処置が必要となります。一方、ブリッジの治療では、そのような外科的な処置がありません。

ただし、土台となる健康な歯を削る必要があります。削った歯は戻りませんので、それを踏まえて、ブリッジにするかじっくり検討しましょう。

4.まとめ

ブリッジは歯の状態や治療法によって、かかる費用に幅があることをお伝えしました。

前歯なのか奥歯なのか、人工歯は何本入れたいのか、支えとなる両隣の歯の神経はあるのかなどによって、可能な選択肢は変わってきます。

費用だけでなく、使用感やメンテナンスについても歯医者さんに確認しておくと良いでしょう。

コメント

歯を失ってしまった場合、保険診療の中から歯を失った部分の治療(欠損補綴治療)を行うとすると、ブリッジか入れ歯から選択する必要があります。また、自由診療で行っていく場合はより審美性や耐久性の高いブリッジや入れ歯を作製し、治療を行っていく事もできます。また、インプラントによる治療も選択肢に入ってくる事でしょう。全ての治療にはメリット・デメリットがありますので、主治医の先生としっかりと話し合って選択頂ければと思います。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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