口内炎をきれいに治すレーザー治療6つの働きと口内炎予防策

口内炎をきれいに治すレーザー治療6つの働きと口内炎予防策

口の中にぽつりとでき、しみたり痛んだりする不快な口内炎は、少しでも早く治したいものです。この口内炎を、レーザーで治療できるということはご存じでしょうか?

しかし、口内炎にはレーザー治療がいいと聞いても、「費用はどれぐらいかかるのか」、「どこで治療してもらえるのか」など、疑問はたくさんあるでしょう。

メリットだけではなく、デメリットに関しても気になるところです。そもそも口内炎をできにくくするにはどうすればよいのかについても併せて、この記事で詳しく説明していきます。

この記事の目次

1.口内炎を治せるレーザー治療の中身

不快な口内炎を早く治したい時には、レーザー治療がおすすめです。これは、レーザーの熱によってタンパク質を凝固させて、患部を閉じ込めてしまうという治療法です。

1-1 患部に直接レーザーを照射

口内炎のレーザー治療は、歯医者さんで行ってくれます。虫歯の治療にも使われる歯科用レーザーを、直接患部に照射するという治療法です。組織の奥深くまで影響しないため負担も少なく、麻酔も必要ありません。

歯科用レーザーには消炎、殺菌、鎮痛、消毒、止血などの作用もあるので、口内炎の治療にも適しているのです。

1-2 費用の目安

口内炎のレーザー治療は、自由診療になるため治療費は一定ではありません。歯科口腔外科が設置されている歯医者さんで、初診料も再診料も数百円しかかからない場合があります。

併せてレントゲン撮影をすると高額になってしまいますが、口内炎治療だけならば不必要なはずなので相談してみましょう。

また、美容診療などでは料金がもう少し高額に設定されている場合もあります。それでも、高くても1回あたり3000円程度です。

2.口内炎のレーザー治療6つの働きと柔軟性

口内炎の治療には、レーザー治療の他にもステロイド剤の塗布などさまざまな方法があります。しかし、他の治療法と比較しても、レーザー治療のメリットは多いのではないでしょうか。

2-1 レーザー治療の6つの働き

口内炎のレーザー治療には、以下のような6つの働きが期待できます。

痛みが少ない

無痛というわけではありませんが、レーザー治療は痛みを感じにくい方法です。多少の痛みはあったとしても、口内炎の痛みが続くよりは負担も少ないでしょう。

有効性

1回あたりの治療時間は平均して3分程度、小さな口内炎であれば1回で、大きめでも2~3回の照射で治療できるというスピード感もレーザーの魅力です。

殺菌・消毒作用

レーザーには、強力な殺菌作用と消毒作用があるため、口内炎の回復が早くなるという報告もあります。

止血性

口内炎に直接レーザーを照射すると聞くと、出血するというイメージを抱く人もいるようですが、実はレーザーには逆に止血性があり、患部を沈静化します。

麻酔作用

レーザーそのものに麻酔作用があるため、麻酔薬を注射する必要がありません。

細胞組織の活性化

レーザーには細胞組織を活性化する働きがあり、治療後の患部の健全な再生を促進します。つまり、治りが早くなることが期待できます。

2-2 レーザー治療が幅広く役立つ理由

口内炎の治療法の中でも、レーザー治療は上記の通り、多くのメリットを持つ治療法であり、さらに以下のような利点もあることから、老若男女、幅広いタイプの口内炎に対応することができます。

患部の場所に関係なく治療が可能

口内炎は、思いもよらない箇所にできることもあり、どうしてもステロイド剤を塗布しにくいような所にもできてしまいます。そんな時でも、レーザーならば場所を選ばず使えるため、問題なく対応できます。

子どもや妊婦でも治療が可能

レーザー治療による身体への影響については立証されていますし、副作用もないので妊婦や幼児でも治療を受けることができます。高血圧や心臓病などの持病があったり、ペースメーカーを装着していても問題ありません。

3~5分程度の短い治療時間

1回あたりの照射時間はほぼ3分、長くても5分程度しかかかりません。無理な姿勢を長時間とる必要もない楽な治療法であるため、時間的・体力的な負担が少なくて済みます。

3.レーザー治療の欠点について

身体的なメリットが多い口内炎のレーザー治療ですが、もちろん欠点がないわけではありません。以下で紹介していきます。

3-1 レーザー治療は保険適用外

レーザー治療による口内炎治療は、保険適用外です。どうしても費用が高くなりがちであり、1回あたり数千円とられることもあります。しかし、保険外だからこそ金額はまちまちで、数百円ですむところもあるのでよく探してみる価値はあります。

3-2 すべての歯科医院が導入している訳ではない

すべての歯科医院がレーザー装置を持っているわけではありませんし、レーザー装置があっても口内炎治療をしているとは限りません。最近ではインターネット上で案内を出している歯科医院も多いので、調べてからでかけるようにしましょう。

4.治療後に行う口内炎の予防策3つ

せっかく治った口内炎も、油断しているとまた再発しないとも限りません。特に口内炎ができやすい体質の人は注意が必要です。

口内炎は口の中の粘膜の表面が、さまざまな外的刺激や身体内部の要因で炎症を起こしたものです。ですから、口内炎を作らないためには毎日の生活の中で、できるだけ刺激を少なくすることが大切になります。

口の粘膜に受ける刺激を少なくするにはまず、食事を見直すことからはじめましょう。何をどう食べるのか、日々の暮らしの中ですぐに実践できる3つの予防策を紹介します。

食事の際はよく噛んで食べる

食事の時に間違って口の粘膜を噛んだことがきっかけとなり、口内炎ができることがよくあります。咬み合わせの調整をしたり、尖った歯を削って丸めたりすることも大事ですが「ゆっくり噛む」ということを心がけるだけでもだいぶ違います。

優しく咀嚼することで、誤って口内の粘膜を噛んでしまうようなことも減ります。消化の助けにもなり、胃腸の荒れから起きる口内炎も予防します。

口内を清潔に保つ

口内の粘膜にできた小さな傷にばい菌が付くことで、口内炎は一気に悪化します。そのため、口の中を清潔に保つことも重要です。

口腔の不潔さは粘膜にとってストレスにもなるので、できるだけきれいにして、いつも適量の唾液が満ちているような状態を保つようにしましょう。

ビタミンB2などの栄養補給をする

粘膜を補強する作用のあるビタミンB2を摂取しましょう。ビタミンB2の多いレバーなどを食べたり、栄養剤で補給したりするのもひとつの方法です。

5.まとめ

口内炎の治療にはレーザー治療が有用です。副作用がないことや、身体への影響についても実証されていて、誰でも不安なく受けることができます。1回あたりの治療も数分ですし、早ければ初回の治療で終了です。

さらに、麻酔なしでも痛みが少ないなど、メリットが数多くある治療法ですが、デメリットについてもきちんと把握して、できるだけよい条件で治療を受けることができる歯医者さんを探すようにしてください。

また、口内炎が治った後は、再発しないように注意することも大切です。せっかくの治療が無駄になってしまわないように、こちらで紹介した内容を参考に、予防も心がけてみましょう。

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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