親知らず抜歯後は何を食べる?傷が治りやすい食べ物や注意点を紹介

    親知らず抜歯後は何を食べる?傷が治りやすい食べ物や注意点を紹介

    親知らずの抜歯後、痛みや腫れは1週間程度で治まるといわれています。この記事では、抜歯後の最適な食事のとり方について詳しく紹介していきます。できるだけ患部を刺激しない食事が望ましく、また、どのタイミングで食べた方がいいのかなど、細かなアドバイスなども紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

    この記事の目次

    親知らず抜歯直後の食事の注意点

    親知らずを抜歯した当日でも食事は可能ですが、いくつかの注意点があります。

    麻酔が切れるまでは食事を控える

    親知らずの抜歯手術は20~30分ほどと、それほど時間はかかりません。悩みの種がなくなったところですぐに美味しいものを食べたいところですが、最低でも、術後2時間は時間をおきましょう。麻酔が効いている間は、唇や舌・頬を上手く使うことができないため、口からこぼれ出たり誤飲してしまう可能性もあります。

    また、自分の舌や頬を噛んで出血してしまう場合もあり危険です。術後2時間経つと徐々に麻酔が切れてきますので、感覚が完全に戻ってから食事を取るよう心がけましょう。

    熱いものは避ける

    麻酔で感覚がないままに食事をしてもっとも危険なのは「火傷」です。感覚がないゆえに熱さの加減も分からず、いつもよりも熱いものを食べているかもしれません。抜歯後の麻酔が切れる頃は、薬を飲むために少しお腹に何かを入れる必要があります。しかし、熱いものは避けたほうが賢明でしょう。

    親知らず抜歯後におすすめの食べ物

    親知らずの抜歯後は、あまり噛まずに食べられる以下のような食事がおすすめです。

    流動食

    なるべく安静にしておきたいため、硬いものや刺激の強いものはおすすめできません。そこでおすすめなのが、葛湯やオートミールなどの流動食です。家庭で調理するのも難しくありません。

    ですが、あまり調理をしない、時間がないといった場合は、栄養素もバランスよく含まれている流動食が販売されているので利用するのもいいでしょう。フルーツやバニラなど多彩な味で、飽きることなく食事を楽しめます。

    豆腐

    流動食もいいけれど、食べごたえのある食事を望む場合には豆腐がおすすめです。原料は大豆、海外では美容に効くスーパーフードとして注目されていますが、消化もよく、さまざまな栄養素がバランスよく含まれており、栄養面からみても優れた存在です。

    抜歯後、初めて食事をとる場合、冷奴がおすすめです。麻酔から完全に覚めた後なら湯豆腐でも問題ありません。ネギや生姜などの薬味は、刺激が強いので控えたほうがいいでしょう。

    ポタージュスープ

    野菜や牛乳を使ったスープを裏ごししたポタージュは、栄養が豊富で自分好みに作れるため、食事制限があるというストレスも感じにくくおすすめです。スープを飲む際は、ストローではなくスプーンを使って飲みましょう。

    抜歯後の傷口はデリケートなので、粘度の高いポタージュをストローで吸う力によって、傷口を覆う血餅がはがれてしまう可能性があり危険です。

    ゼリー

    あまり食事をする気にならないといった場合でも、薬を飲むために少しでも食事をとる必要があります。そんな時におすすめなのはゼリーです。甘く冷たく口当たりがいいため、食欲がなくても喉を通りやすいメリットがあります。

    親知らず抜歯後の傷が治りやすい食べ物

    親知らずの抜歯による傷を早く回復させるためには、バランスよく栄養を取ることが大切です。なかでも、ビタミンや亜鉛などの栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。

    レバー

    レバーにはビタミンB群が豊富に含まれており、皮膚や組織の再生をサポートしてくれます。そんなレバーを抜歯後に食べるならレバーペーストがおすすめです。また、よりラクに作りたい場合は焼き鳥のレバー串を生クリームやバター・塩などとともにブレンダーでペースト状にしてもおいしくいただけます。

    あさり

    昔から傷や火傷の薬として使用されている亜鉛は、傷を治したり皮膚を清浄化したりする力があります。その亜鉛が多く含まれているあさり料理も、抜歯後のメニューに取り入れることをおすすめします。

    例えば、あさりのダシたっぷりのあさり汁がおすすめです。しっかり砂抜きをし、味噌汁やすまし汁でいただきましょう。

    親知らず抜歯直後は避けるべき食べ物

    柔らかく、消化がよければ何を食べてもいいという訳ではありません。患部を刺激するような以下の食べ物は控えましょう。

    香辛料

    以下のような香辛料を使った料理は、刺激が強いため控えましょう。

    ・カレー
    ・わさび
    ・唐辛子
    ・ブラックペッパー
    ・チリソース
    ・キムチ

    患部はデリケートなので、辛いものに敏感に反応し、痛みを引き起こす可能性があります。

    硬めの麺類

    抜歯後の食事に麺類を選ぶ方もいらっしゃいますが、硬めのものはすすった時にはねて患部に当たることも多くおすすめできません。また、吸うと血餅が取れやすくなる恐れがあるため、すすらずに適当な大きさに切って箸で口に運ぶことをおすすめします。

    口に残りやすい食べ物

    以下のような細かく口に残りやすい食べ物や、咀嚼中に残りそうな食べ物は、患部周辺に張り付いたり挟まったりとトラブルになりやすいといえます。

    ・ごま
    ・刻みのり
    ・豆

    うがいで落とすことはできますが、あまり強くうがいすると血餅が取れてしまう恐れがあるため、しばらくは避けたほうが賢明です。

    アルコール

    アルコールを摂取すると、血管が広がり出血が止まりにくくなるため、避けるようにしましょう。血が止まらないということは血が固まらないため、傷の治りが遅くなります。

    普段の食事に戻すタイミング

    術後1週間は刺激の少ない柔らかいメニューを心がけ、その後徐々に様子を見ながら普通の食事に戻していきます。痛さや腫れのピークは術後2~3日まで、1週間もすればたいていは痛みから開放されるとされているため、しらばくは食事に気を付けて過ごしましょう。

    しかし、1週間を過ぎてもひどく痛む場合には、一度歯医者さんに相談してみましょう。

    飯田尚良 先生監修
    経歴

    1968年 東京歯科大学 卒業
    1968年 飯田歯科医院 開院
    1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
    1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
    1983年~2009年 東京歯科大学 講師
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

    歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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