災害時の感染症は“口腔ケア”で防ぐ!日本の災害時に多い呼吸器感染症とは

    2月27日、都内某所にて「STOP感染症2020フォーラム」が開催され、東北医科薬科大学特任教授・賀来満夫先生をはじめ、聖マリアンナ医科大学教授・國島広之先生らが登壇した。

    同会議では、新型コロナウイルスへの対策をはじめ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けた感染症対策などが話し合われた。

    また、地震や台風、豪雨などの災害が多発する中、災害由来の感染症を防ぐためには口腔ケアが大切になるという提言があり、國島先生がオーラルケア普及の大切さを語った。

    この記事の目次

    日本の災害医療の特徴!誤嚥性肺炎とその原因

    國島先生:災害時は、東北大学などの研究結果にもありますが、肺炎がやはり多いんです。

    災害時の感染症は、海外であれば「はしか」であったり「コレラ」であったりとさまざまですが、日本の災害医療の場合は「誤嚥(ごえん)性肺炎」が多いというのが大きな特徴になります。

    高齢者のかかるリスクが高い誤嚥性肺炎ですが、原因は口腔内に付着しているプラークです。プラークには、ばい菌がたくさんいて、それを誤って飲み込んでしまうことで誤嚥性肺炎になる可能性が高まるんですね。

    こういった呼吸器感染症というのは口から入ってくるものなので、口腔衛生に取り組むことで肺炎の患者数が約半分に減ったというデータも出ています。

    災害時の感染症を防ぐために!デンタルグッズを備蓄する大切さ

    國島先生:しかし、災害時にオーラルケアを行おうと思っても、デンタルグッズを買いづらいという状況が起こりますよね。そのため、日頃から災害備品として用意をしておくことが重要になってきます。

    そして、我々としては国民の皆さんに、デンタルグッズを災害備蓄としてそろえておくことの必要性や、誤嚥性肺炎を防ぐためのオーラルケアの大切さを分かっていただくために、日々活動していくことが重要になっています。

    執筆者:歯の教科書 編集部

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