歯ぎしりの治し方を紹介!主な2つの原因と歯や身体に及ぼす影響

歯ぎしりを治すにはどうしたら良いのでしょうか? 治療法にはマウスピースを使ったやり方や、薬を使った治療法などさまざまあります。自分の歯ぎしりが気になる方は歯医者さんに相談して、自分に合った治療法で改善を目指しましょう。

この記事では、「歯ぎしりの治し方」について紹介していきます。また、歯ぎしりによって起こる症状や原因についても説明していきます。

この記事の目次

1.歯医者さんで行う歯ぎしりの治し方3つ

この章では、歯医者さんで行う「歯ぎしりの治し方」について紹介していきます。主な治療法として以下のような方法があります。

・ナイトガード(マウスピース)
・薬物療法
・マッサージ療法

1-1 ナイトガード(マウスピース)

歯ぎしりの治し方としてまず基本的な治療法がマウスピースを使った方法です。夜寝る前に装着するこの「ナイトガード」は、睡眠中の歯ぎしりによる歯のすり減りを防止することができ、噛み合わせの悪化を防ぎます。

さらに、顎周辺の筋肉の緊張を和らげることが可能です。顎への負担が軽減でき「顎関節症」の防止にも役立ちます。

市販で購入することもできますが、歯医者さんでは自分の歯型をとることで専用のマウスピースを製作してもらうことができるので、おすすめです。

1-2 薬物療法

薬を用いた治療法があります。分子量が約15万個のタンパク質である「ボツリヌストキシン」を注射する『ボトックス注射』を行うことで、噛み合わせで使う筋肉の緊張を和らげることができます。

1-3 マッサージ療法

顎周辺の緊張した筋肉を和らげるためにマッサージをすることで、張りを取り除きます。

2.歯ぎしりを起こしやすい主な2つの原因の治し方

歯ぎしりをしてしまう原因として主に2つのことが挙げられます。

・ストレス
・噛み合わせの悪さ

その他、性格や遺伝、過剰な喫煙やアルコール摂取なども考えられますが、この章では、「ストレス」と「噛み合わせの悪さ」について説明し、その原因を取り除くための方法も紹介していきます。

2-1 ストレス

歯ぎしりの原因としてまず考えられるのが、「ストレス」と言われています。仕事での対人関係や、生活環境の変化によって起きるストレスなど、個人によって感じ方もさまざまです。

治し方

現代社会では、ストレスを受けずに生きることは難しいといえます。ただストレスと上手に向き合い、抱え込まないように自分なりの発散方法を身に付けることが大事です。

2-2 噛み合わせの悪さ

噛み合わせが悪いと、歯ぎしりを起こしやすくなります。成長に合わせて噛み合わせは変化するものですが、虫歯や歯周病が原因で噛み合わせに変化が生じてしまうと、歯ぎしりが強くなってしまいます。

治し方

噛み合わせの状態を歯医者さんで細かく診断してもらいましょう。治療法として、詰め物や被せ物を用いた「補綴(ほてつ)治療」で欠損した歯を補う方法があります。虫歯や歯周病を発症している場合は、早期に治療を進めることが大切です。

3.歯ぎしりによって起きる悪影響

歯ぎしりは、歯だけでなく、歯茎や顎、身体にも悪い影響を及ぼす可能性があります。ここでは、その悪影響について紹介していきます。

3-1 歯や歯茎へのダメージ

日頃から歯ぎしりをしてしまう癖のある方は、歯や歯茎へのダメージも大きいといえます。ひどくなると歯に亀裂が入ってしまい、歯がしみたり、痛かったりします。

エナメル質が削られてしまうことで、「知覚過敏」を招く恐れもあります。また、歯を支えている骨が影響を受けて歯茎が痩せてしまうこともあります。

3-2 顎関節症になる

歯ぎしりをすることで、顎関節に痛みが生じて「顎関節症」になるケースがあります。顎関節症になると顎に痛みを感じるほか、「カクカク」鳴ったり、口が開けづらかったりします。

3-3 頭痛や肩こりが起きる

歯ぎしりが原因で「偏頭痛(へんずつう)」を起こすことがあります。これは、側頭部の筋や筋膜が固まってしまうことで起きます。さらに肩の筋肉にも影響することで、肩こりの原因にもなってしまいます。

4.歯ぎしりとは違う「TCH」とは?

TCHとは「Tooth Contacting Habit」の略称で、『歯列接触癖(しれつせっしょくへき)』のことを指します。歯ぎしりが一時的に強く噛んでしまうのとは対照的に、上下の歯を少しの力で無意識に接触させてしまうのが特徴です。

原因については、歯ぎしりと同じように「ストレス」や「噛み合わせの悪さ」が挙げられます。ただ、無意識に行ってしまう癖なので、歯医者さんとしっかり相談しながら少しずつ改善を目指していくことが賢明でしょう。

5.まとめ―「セルフチェック」をしてみよう!

この記事では、歯ぎしりの治し方について紹介してきました。

歯ぎしりは自分では気づかないことが多く、家族に「夜寝ているときに歯ぎしりをしていた」ことを後で聞かされるケースがあります。日頃ストレスを抱えているような方は注意して、以下のようなセルフチェックをしてみましょう。一つでも当てはまる方は、歯ぎしりをしているかもしれません。

□歯にひびが入っている
□冷たいものがしみる
□朝起きたときに、顎が疲れている
□仕事中に噛みしめる癖がある
□頭痛や肩こりがひどい
□上下の奥歯が、口を閉じた状態でくっついている

 

先生からのコメント

近年、歯ぎしりの治療でボトックス(ボツリヌストキシン)の応用も非常に有効な治療法とされております。安全確実に歯ぎしりを止める治療法です。

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。