親知らずはどこで抜く?「歯科」と「口腔外科」の違いとは

    親知らずはどこで抜く?「歯科」と「口腔外科」の違いとは

    親知らずを抜くにあたって、歯科・口腔外科の違いがわからず、どちらで抜くべきなのか悩んでしまう人も多いでしょう。

    今回は歯科・口腔外科の違いを解説し、親知らずの状態に応じてどこで抜歯すべきかをご紹介していきます。親知らずにも生え方によって様々なタイプがあり、状態によって歯医者で抜ける場合と口腔外科を紹介される場合に分けられます。

    この記事の目次

    歯科と口腔外科の違いとは?

    「歯科」の定義

    歯科とは、歯もしくは歯に関係した組織に関する診療科と定義されています。具体的には、虫歯の治療や歯並びの矯正、詰め物や入れ歯の製作や装着などが歯科で扱う内容です。

    また、虫歯の治療のような実際の処置だけでなく、保健指導を行うことも重要な役割です。学校などで行う歯科検診や、歯科衛生士が行う歯磨きの指導などがその例です。

    歯科は4つに分類される

    歯科は主に4つの診療科に分類され、「歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」の名前でクリニックの看板に記載できることが法律で決められています。最近は歯科医院のホームページなどで「美容診療」や「インプラント歯科」といった表記を目にすることがありますが、これはクリニックの看板に書いているわけではないので法律には反していません。

    歯科の診療科の中で最も多いのは「歯科」であり、その中でも特に民間のクリニックに勤務する歯科医師の割合が圧倒的に多いです。

    「口腔外科」の定義

    口腔外科とは、口腔(口の中)や顎、顔面やその周りの疾患に対応する診療科です。歯科の診療科の一つである「歯科口腔外科」がこれに該当します。外科という名前からもイメージがわきますが、口腔外科では口や顎、顔面の手術を行うことも多いです。

    口腔外科で扱う疾患

    口腔外科で扱う疾患は、先天的な疾患(生まれつきの病気)と後天的な疾患(生まれつきではない病気)があります。後天的な疾患としては、親知らずに関連したトラブルが代表的です。具体的には、親知らずの抜歯や、親知らずの周りの歯茎が炎症を起こしたときなどが挙げられます。一般歯科とは違い、口腔外科は馴染みが薄いようなイメージがありますが、親知らずのトラブルなどの身近な疾患も扱っています。

    他には、交通事故やスポーツなどで顎や顔を怪我した際も、口腔外科での処置が必要になることがあります。外科的な処置が中心となりますが、中には口の中の唾液や粘膜に関する内科的な病気を扱うこともあり、口腔外科で扱う対象は幅が広いことが特徴です。

    歯科医師と口腔外科医の資格

    基本的に、歯科医師と口腔外科医はいずれも歯学部の出身者であるという点で共通しています。正確にいうと、口腔外科医の場合は歯学部・医学部のどちらの出身でも問題ありませんが、歯学部出身の歯科医師が大半を占めています。口腔外科医の中には、歯科医師と医師の2つのライセンスを有する人がいますが、非常に稀なケースです。

    また、口腔外科で扱う大がかりな手術では、口腔外科医の他にも形成外科医や麻酔科医などが関与することがあります。

    親知らずはどちらで抜くべき?

    親知らずの痛みや虫歯を指摘されたり、親知らずによって歯並びが悪くなったなどの理由で、親知らずの抜歯を検討する場面もあるでしょう。かかりつけの歯科で抜きたいと考える人が多いですが、親知らずの状態によってどこで抜くべきかが異なります。

    歯科で抜くケース

    基本的には真っ直ぐ生えていて下顎管に接していなければ抜くことは可能です。歯が真っ直ぐ生えていて、歯茎や骨の中に埋まっていなければ、それほど難しい抜歯とはならないため一般的な歯科医院でも対応可能なのです。

    もし、歯の一部が歯茎に埋まっている場合や、歯が斜めに生えている場合は、歯科医院によって対応が異なります。そのまま歯科医院で抜いてくれる場合と口腔外科へ紹介される場合があります。

    口腔外科で抜くケース

    口腔外科で抜かなければならない親知らずの特徴としては、まず外科的な処置が必要となることが前提です。外科的な処置とは、歯茎を切ったり、骨を削るなどを指します。そのため、口腔外科で抜く親知らずは歯茎や骨の中に埋まっていたり、斜めに生えてしまっている場合が大半で、局所麻酔で処置を行うことが多いのです。

    親知らずの状態が複雑で、一般的な口腔外科のクリニックでの対応が難しい場合は、大学病院への紹介となります。

    大学病院で抜くケース

    親知らずを抜くために大学病院へ紹介される方も多く、一般的な歯科や口腔外科では抜くことのできない抜歯が対象となります。骨を削る量が多い場合や、神経にダメージを与えるリスクがある場合など、難易度の高い抜歯は大学病院で行います。

    大学病院では、CTによって歯と神経の位置関係を事前に確かめてから抜歯を行います。大学病院で抜く親知らずには主に次のようなものがあります。

    ・複数の親知らずを同時に抜く場合
    ・歯茎や骨の奥深くに親知らずが埋まっている場合
    ・親知らずが顎の神経の近くに埋まっている場合
    ・血が止まりにくい病気がある場合

    入院が必要になることも

    大がかりな抜歯で、全身麻酔が必要なときには入院する必要があります。全身麻酔や入院のためには、基本的な検査(血液検査、心電図、尿検査など)を行う必要があり、抜歯に関わる手続きが多くなります。

    親知らずを抜歯する場合、基本的に入院期間は1泊2日と言われていますが、抜歯する歯の状態によっては長引くことがあります。また、病院によって抜歯術を行う曜日が固定されており、検査や体調管理のために前日から入院しなければいけないと規定されていることもあります。

    まとめ

    歯科と口腔外科の違いと、どのような状態の親知らずはどちらで抜くべきかをご紹介しました。基本的に、親知らずが歯茎や骨の中に埋もれてしまっている場合は口腔外科や大学病院への紹介になることが多いですが、まずはかかりつけの歯科医院で相談してみましょう。

    経歴

    歯科医歴:25年
    1990年 日本歯科大学 卒業
    1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
    1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

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