歯の異変

激痛がともなう歯髄炎とは?主な症状と対処法

歯髄炎痛み

29,608view

『歯髄炎(しずいえん)』とは、歯の中の血管や神経がとおる『歯髄(しずい)』に細菌がはいってしまい、炎症が起こり、痛みをひきおこしている状態をさします。

この記事では、歯髄炎とはどのようなものなのかを解説し、原因と対処法についてご説明します。症状には、軽度なものもあるので、我慢できないほどの激痛になる前のできるだけ早期に、歯科医の診断を受けることが肝心です。

こんな症状があったら歯髄炎を疑ってみよう

歯に強い痛みが生じるのは、歯の内部の歯髄と呼ばれる神経組織に、何らかの刺激が加わっているからです。神経付近での炎症になるので、通常は大きな痛みを伴いますが、自覚症状の少ない慢性的な歯髄炎もあります。

1.脈にあわせてズキズキする

歯髄が炎症を起こすと、血液といっしょに送り込まれた炎症細胞が血管のすぐ近くを通る神経を刺激するため、激しい痛みがでます。その結果、脈のリズムに合わせてズキズキとした強い痛みをかんじるのです。このような激痛をもたらす歯髄炎の原因は、虫歯のせいで歯に大きな穴があいてしまったり、神経に強い刺激や負担がかかったりすることがあげられます。

2.何もしていないのにズキズキ強く痛む

食事中でもなく、何もしていないときにもズキズキとした強い痛みがあれば、『急性歯髄炎』かもしれません。もちろん歯を噛みあわせたときに痛みが生じ、冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸味のあるものを食べたときなどにも、大きな痛みを感じます。

3.噛んだときに不快感や違和感がある

歯髄炎が慢性状態の場合には、自覚症状がそれほどないケースもあります。噛んだ時の歯の不快感や違和感はあるものの、激しい痛みを伴うような症状がでません。

虫歯のない歯にも起こる歯髄炎のさまざまな原因

虫歯ができた歯に穴が空く以外にも、外傷や歯の異常など、歯髄炎を起こす原因はいろいろと考えられます。

1.歯周病が引き起こすケース

最も一般的なケースは虫歯です。虫歯が歯のエナメル質や象牙質を溶かし、歯髄まで到達する場合です。歯髄に虫歯菌が入り込み、炎症を引き起こします。また、歯周病が進行し、歯の根から細菌が入り込んで、歯髄炎になるケースもあります。

2.健康な歯に起こるケース

虫歯もない健康な歯が、歯髄炎となる場合もあります。このケースでは、体の他の箇所の炎症が、血流によって歯髄に到達して、歯髄炎を引き起こします。

3.外傷や日常生活で引き起こされるケース

外傷によって歯が直接的な損傷を受け、歯髄に細菌が入ることもあります。外傷だけでなく、日常的な食いしばりや歯ぎしりによって、歯が摩耗したり、割れたりして、歯髄が炎症を起こす場合もあります。

4.歯の異常によるケース

歯髄が周囲の歯を溶かしてしまう内部吸収や、歯の根の外側から歯が溶ける外部吸収など、歯の異常によって歯髄炎を引き起こすこともあります。また、小臼歯には、小さな突起があり、これを中心結節といいます。ここが折れてしまうと、そこから細菌が侵入して歯髄に至ることもあります。

痛みの度合いによる歯髄炎の治療方法

激痛を伴っているような歯髄炎は、歯の神経をとる処置をする可能性が高くなります。できるだけ、軽度の症状のうちに、歯科医で早めの処置を受けるのが望ましいところです。

1.軽度の歯髄炎

知覚過敏の薬を使う

温かいものや冷たいものが、歯にしみる場合は、軽度の歯髄炎になっている可能性があると考えられます。知覚過敏のための薬もありますが、歯科医に相談して、根本的な問題がないかどうかも、診断してもらうべきです。

軽度の虫歯を除去する

虫歯が進行して、穴が歯髄に近づいている場合にも、知覚過敏のような症状があります。虫歯を除去し、細菌が歯髄に入り込まないような処置をしてもらうことが肝心です。

2 激痛を伴っている歯髄炎

抜髄(神経をとる)

食事以外の何もしていない時でも、鼓動に合わせて激しい痛みが生じるような場合の治療は、多くの場合、抜髄(歯の神経をとる)処置となります。歯髄の神経はもちろん血管を失う形になり、歯の新陳代謝がなくなって歯の寿命が短くなります。

歯髄の一部を取り除く

激しい痛みのある歯髄炎では、通常、抜髄をするのが一般的ですが、乳歯や若い歯では、歯髄の一部を残して、歯の寿命を延ばす治療もあります。ただし、成功率はあまり高くないと言われています。

抜歯

虫歯や歯周病に伴う歯髄炎が重症で、どうしても歯を残せない場合には、抜歯をすることになります。

4.痛みが激しい場合の対処法や歯髄炎の予防

突然、歯髄炎の激痛に襲われても、すぐに歯科医に行けない場合の応急処置をご紹介します。ただし、万一痛みが引いたからといって、そのまま放置してしまわないようにしましょう。

1.歯髄炎の痛みの対処法

痛み止めの服用

痛みがある場合には、バファリンやロキソニンSといった市販の鎮痛剤で痛みを抑える事が出来ます。ただし、重い歯髄炎の場合には、鎮痛剤も歯科医の麻酔も効かないケースもありますので、注意が必要です。

患部を冷やす

炎症した歯髄に集まる血流が、神経を圧迫することで、激しい痛みとなって現れます。なので、痛みがでている部分を冷やすことで血のめぐりを抑えることで痛みをやわらげます。

噛むことをさけて安静に

痛みのある部分には、刺激をあたえないことも大切です。食事をするともっと痛みが増してきますので、食事を控え、ゼリー状の栄養補給食のような食事で補い、できるだけ安静に努めましょう。

2.虫歯や歯周病予防が歯髄炎の予防に直結 

突発的な外傷は予防できませんが、虫歯や歯周病などを重症化させないことが、激しい痛みを伴う歯髄炎を避ける手立てとなります。また、歯ぎしりや噛み締めの癖なども改めたいところです。

まとめ

虫歯や歯周病が重くなれば、歯髄を損なう危険が増してきます。つまり、歯髄炎を避けるには、普段のデンタルケアが肝心です。痛みのない小さな虫歯でもそのままにせず、知覚過敏といった軽度の症状でも、必ず歯科医に診てもらいましょう。眠れないほどの激しい痛みが生じてしまった場合には、最悪、抜髄することも覚悟しておきましょう。