歯の教科書・監修医「田口歯科医院」田口文彦先生

プロフィール紹介

経歴

1973年 日本大学歯学部卒
1979年 田口歯科医院 開業

主な所属先

日本歯科医師会 常務理事
新宿区歯科医師会 会長

田口文彦先生の動画メッセージを見る

「歯の教科書」監修医として、田口先生が思うこと

監修医を引き受けた理由

今の医療系情報サイトは、「絶対に痛くない治療」というような過剰広告に近い内容も載せています。静脈麻酔のような全身麻酔で行えばできますが一般開業医では難しいと思います。「歯の教科書」に載せる記事は臨床的に合っているものにしたい。歯科業界でまかり通った治療内容であるかの判断をして欲しいと言われ、そのくらいの判断だったら僕でもできると思って引き受けました。

歯の教科書のような医療情報を載せるサイトに先生が求めていること

分かりやすく情報を伝えることでしょうね。難しいことを言ってもしょうがないし、専門用語を使わずに今の歯科治療の内容を伝えるべきです。今はインターネットがあるので、歯周病に対する新薬とか、親知らずからIP細胞を作るとか、難しいことを載せるサイトもありますが、それよりも一般の歯科医院で行われている治療内容をわかりやすく伝えることが大切だと思います。

記事の監修を行う上で先生が気を付けていること

それが本当に歯科業界の常識に合っていること。間違っていたり、過剰広告になっていたりしないかを見ています。奇抜なことや最新の治療は分からないこともありますので、臨床医としての長い経験の蓄積からくる判断を基準にしています。

高齢化社会の日本が目指すべき歯科治療は? 歯医者さんに求められるもの〜スペシャルインタビュー

田口先生写真_トップ

「新宿歯科医師会」を立ち上げて会長を務めました田口文彦先生。新宿で40年以上歯科治療を続け、患者さんの歯の健康を守り続けてきました。高齢化社会において、若い患者さんよりも高齢の患者さんが歯医者さんを探す比率が増えています。この現状に適合し、変わっていかねばならない歯科治療についてお聞きしました。

高齢の患者さんのための歯科治療は? 「入れ歯」についての話も

虫歯が減って歯が残るようになったことで、歯周病は確実に増えてきています

高齢の患者さんの治療が増えているとおもいますが、治療で注意されていることはどのようなことですか?

70歳以上の高齢者が多くなり年をとった方々の治療も多くなってきました。8020という数字を耳にされることがあると思います。80歳で20本以上の歯が残っているということですが、達成者がもう50%にもなっております。歯がそれだけ残っていれば齲蝕や歯周病になった高齢者の治療が多くなっています。不幸にも病気で寝たきりになった患者さんの訪問診療に出かける機会も多くなっています。

高齢の患者さんの治療で気をつけていることはなんでしょうか?

注意しないといけないのは、歯以外でいろいろな病気を持っているということ。お薬手帳をお持ちの患者さんには見せてもらうようにしています。薬を見ればだいたいその人の病名が分かりますから。中には心筋梗塞や脳梗塞を経験した患者さんもいます。

血液をサラサラにする薬を飲んでいる患者さんの歯をいきなり抜いたら血が止まらなくなるし、血圧が高い患者さんにすぐ麻酔をすると血圧がさらに上がって大変なことになっちゃいます。骨粗しょう症の患者さんだと、歯を抜いた後の治りが悪いこともあります。そういう意味で若い人を診るよりも神経を使います。

先に伝えてくれず、治療が終わってから気づくこともありますか?

ありますね。血が止まらないからおかしいと思ったら、実は血液サラサラにしている薬を飲んでいましたとか…。自分が飲んでいる薬や病状をしっかり伝えてくれる人だといいけど、認知症の患者さんだと何の薬を飲んでいるか分からないことがありますから。

こちらが気づけば家族に聞きますけど、一番良いのはお薬手帳を持って来てくれることです。高齢の患者さんが来たらしっかり問診をやらないとえらいトラブルが起こります。特に認知症の患者さんは家族や主治医の先生に現況を確かめてから治療することが求められます。

高齢の患者さんの場合、定期的にメンテナンスされているか、していないかの差は大きいですか?

それは歴然とした差があります。昔から定期検診で来てくださる患者さんは、僕たちも口腔状態を分かっていて、トラブルにすぐ気付けますから。それと比べて、10年ぶりくらいに歯医者に来たという患者さんだと口腔状態がよくないです。

定期的に検診をしていれば歯は長持ちをします。高齢になって歯を抜く原因は歯周病によるものがほとんどです。歯周病は慢性的なもので自覚が少ない病気だから自分でも気づかない。歯石を取ってあげて、歯茎の周りをきれいにしてあげる。それだけでも歯の保ちが違ってきます。

もしも歯を失ってしまったときの選択肢として、「入れ歯」治療についてもお聞きしたいのですが――

なるべく保険でできる治療をやってあげたいと思っています。インプラントも選択肢の一つだけどお金がかかるので誰でもできるわけじゃありません。まずは保険の入れ歯をすすめます。その入れ歯が満足できなくて、お金がかかってもいいからもっとよい方法と言われれば、インプラントのことを説明します。

ただ、顎の骨が薄い患者さんだと専門ではない僕の技量ではできないこともあります。その場合は、大学病院を紹介していますね。特に高齢者はやっぱり入れ歯ですね。

入れ歯は品質の差よりも違和感に慣れるかどうか本人の努力が大事です

自由診療の入れ歯はかなり進歩していると聞きましたが

入れ歯で大事なのは患者さんに慣れてもらうことです。違和感が大変なので慣れるまで3カ月くらいかかりますから。

見た目に気づきにくいとか食べ物の温度が伝わりやすいとか、入れ歯の種類は様々ありますけど、自分で取り外せるものなので嫌だったら外しちゃうでしょう? どんな高額で性能の良い入れ歯でも、慣れるまでガマンできない人もいます。入れ歯に慣れない人が多くいます。

不正確な情報を報告
ページトップへ