【レジリエンスジャパンサミット】民間企業・団体が国土強靱化への取り組みを報告

    【レジリエンスジャパンサミット】民間企業・団体が国土強靱化への取り組みを報告

    レジリエンスジャパン推進協議会では、これまでレジリエンス(国土強靱化)に関するさまざまなワーキンググループを開催しており、特にこの2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るう中「STOP感染症戦略会議2020」にて「新型コロナウイルス感染症対策の緊急提言」を発表するなど、感染症対策の面でも問題提起、情報発信を行ってきた。

    去る2020年11月24日、25日には東京国際フォーラムにてサミットを開催。初日は「STOP感染症トーキョーサミット2020」と題し、世界経済フォーラムに日本から参加するヤンググローバルリーダーたちによる、日本の感染症対策にかんする現状や今後の課題についてのディスカッションが行われた。

    2日目は「レジリエンスジャパンサミット2020」として、感染症対策を含む、防災・減災・国土強靱化に関する基調講演、また民間の企業の代表が登壇し、防災、災害支援、感染症対策などに貢献する技術・製品について講話を行った。

    この記事の目次

    初代国土強靱化担当大臣 古屋圭司衆議院議員も応援に駆け付けた

    挨拶を行う初代国土強靱化担当大臣 古屋圭司衆議院議員

    初代国土強靱化担当大臣でレジリエンスジャパン推進協議会の顧問を務める古屋圭司衆議院議員は国土強靱化基本計画の作成に1年3カ月を要した。安倍晋三元首相も当時、その計画の質を重視したという。

    また古屋氏が担当大臣だった当時から、レジリエンスジャパン推進協議会の会長には民間企業、特にインフラ整備・リスクマネジメントにかかわる企業から選出を行い、産学官民一体となり国土強靱化に向けた取り組みを行ってきた。

    2021年には東京オリンピック、パラリンピックもあり世界が日本の対策に注目している。古屋氏は本フォーラムのテーマの一つでもある「感染症対策」についても触れ、「やはり感染対策をするには民間の技術や知見、アイデアが必要」と述べ、「注目に私たちがしっかり答えていかなきゃいけない」と強調した。

    国土強靱化担当大臣 小此木八郎氏による挨拶

    現・国土強靱化担当大臣 小此木八郎氏による挨拶

    現職の国土強靱化担当大臣の小此木八郎氏は「防災、減災、国土強靱化(レジリエンス)という言葉が浸透してきた、防災意識が高まってきたということは、備えとしては非常に意味のあることだと思います」と述べた。

    令和元年東日本台風では福島県の阿武隈川の堤防が決壊した。あらかじめ堤防を整備しておくことで回避できた被害、抑えられた復旧費もあるという。

    災害大国である日本では、大きな災害があるたびに教訓にして、防災意識を高めてきた。政府は2018年より防災・減災・国土強靱化のための3カ年緊急対策の取り組みを行っていて、令和2年はその最終年度となった。

    小此木氏は、「政府においては国土強靱化をさらに推進できますよう、検討を進めております。引き続き、災害に屈しない強さとしなやかな国、国土づくりに取り込む思いで必要十分な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。」と、今後の取り組み、予算確保についても示唆した。

    基調講演|産学官民一体となり取り組む国土強靱化

    内閣官房国土強靱化推進室次長 五道仁実氏

    この日は内閣官房国土強靱化推進室次長 五道仁実氏、一橋大学大学院経済学研究科教授 佐藤主光氏、東北医科薬科大学特任教授で東京都参与の賀来満夫氏、東北大学災害科学国際研究所 所長の今村文彦氏がそれぞれの分野にかんする基調講演、話題提供を行った。

    五道氏は自然災害の防災、減災の面における国土強靱化の取り組みについて講話を行った。強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法では、四つの観点があり、人命の保護が最大限図られること、国家・社会の機能がしっかり継続・維持されること、国民の財産・公共施設の被害の最小化、迅速な復旧・復興を基本目標としている。

    講演の中で五道氏は1959年の伊勢湾台風で「防災」の概念が明確化し、1995年の阪神淡路大震災で「減災」が推奨され始め、2011年の東日本大震災を機に「国土強靱化」の取り組みが始まったとして、国土強靱化計画の歩みを解説。

    2011年以降も地震や台風による被害が増え続けていることや今後も南海トラフ、首都直下地震が懸念されていることにも言及。知事会や経済団体からは3カ年緊急対策が終了した後も取り組みを継続してほしいという声が上がっている。

    政府でも具体的な数値目標の策定、必要十分な予算を確保するよう検討しているという。国土強靱化に資する税制の改正や、民間企業の認証制度としてレジリエンス認証の導入を進めていく。

    基調講演|自然災害と感染症について

    東北医科薬科大学特任教授で東京都参与の賀来満夫氏

    東北医科薬科大学特任教授で東京都参与の賀来満夫氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で自然災害が起こることを懸念している。賀来教授は同日に話題提供としてリモート出演していた東北大学災害科学国際研究所 今村所長と共に、2011年の東日本大震災の際に感染症対応を行っていた。

    当時対応にあたっていた職員は、仮にあの被害の中で新たな感染症が起これば甚大な被害になると危機感を抱いていたという。この日の講演では、災害時の感染症のリスクについて講話を行った。

    震災によりライフラインが滞り、環境衛生が悪化することでまず気をつけるべきは破傷風など「自然環境にもともといる微生物による感染症」だ。環境微生物による感染症としてはほかにも「レジオネラ感染症」などが挙げられる。レジオネラ菌は河川や土壌に生息する菌で温度耐性があり、感染すると重度の肺炎を引き起こす。

    震災発生後はその直後よりも数日後に感染症の拡大が見られるという。避難所では、ソーシャルディスタンスを保つことのできない、狭い空間での生活を余儀なくされる。手洗いもままならない環境下ではインフルエンザなども流行しやすく、いわゆるクラスターが発生した。感染症は潜伏期間があるため、東日本大震災の際も震災発生からおよそ1週間後から、感染症の拡大が見られた。

    賀来教授は、私たちが防災・減災と共に今考えるべきは、これまで人類が経験したことのない、新型コロナウイルス(COVID-19)のような新しいタイプの感染症、災害が常に起こりうる状況の中で感染が発生することであると示唆した。

    近年、感染症は多様化し、ボーダーレス化している。災害時は環境中にもともと存在する微生物による感染症だけでなく、全く原因不明の感染症によるメガクラスターが発生し、災害バイオハザードにつながる可能性もある。

    賀来教授は「国土強靱化事業としては、これまで電気、通信、交通などは政策により整備されてきたが、感染症に関するアクションプランが明確化されたのは2017年。今後まだまだ強化していく必要がある」と述べ、2020年2月28日に「STOP感染症戦略会議」にて発表した「新型コロナウイルス感染症対策の緊急提言」を再提示したうえで、災害時の感染症対策として「情報の共有、連携、協力、支援、リスクコミュニケーション、先進技術の開発といった総合力が問われている」と訴えた。

    民間企業・団体が国土強靱化への取り組みを報告

    本フォーラムでは「ラウンドテーブルディスカッション」として、民間企業、団体、大学より10名の代表者が集まり「国土強靱化への取り組み」について報告した。

    アース製薬はMA-T(要時生成型亜塩素酸イオン水溶液)について解説。MA-Tとは、株式会社エースネットが開発した除菌・消臭システムで、従来の除菌剤、除菌剤では実現できなかった安全性と除菌力の両立、長期保存を可能とするといわれている。

    日産自動車は2019年9月の台風15号により被災した千葉県にて、電気自動車活用した電力供給を行った事例を交え、電気自動車の可能性について講話を行った。

    そのほかにもシステム面や技術面など、各社の強みを生かした「民間の国土強靱化への取り組み」が発表された。

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

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    【レジリエンスジャパンサミット】民間企業・団体が国土強靱化への取り組みを報告 2020-12-09T10:42:10+09:00
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