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裏側矯正による滑舌への影響!発音に問題が起きにくい矯正装置も紹介

裏側矯正_滑舌

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近年、矯正歯科の方法が多様化してきたことで、「目立たない矯正装置」を選択する人が増えてきました。裏側矯正・舌側矯正などと呼ばれる「歯の裏側に矯正装置を取りつける方法」が人気を集めています。

しかし、「裏側矯正している間は、滑舌が悪くなる」という話題を目にする機会も少なくありません。実際、舌の動きが制限されるので、「喋りにくくなった」と感じる人もたくさんいらっしゃるようです。こちらの記事では、「裏側矯正による滑舌への影響」を解説した上で、「滑舌に影響を与えにくい裏側矯正法」を紹介したいと思います。

1.裏側矯正による滑舌への影響

ワイヤーを用いた歯列矯正は「歯にブラケットと呼ばれる器具を装着し、ブラケットをワイヤーで引っぱる」という方法でおこなわれます。従来のワイヤー矯正では「ブラケットを歯の表側に装着する方法」をとっていたので、「口を開けると矯正器具が見える」という外見的問題がありました。そこで、ブラケットを歯の裏側に装着する方法―「裏側矯正」が生まれたわけです。

裏側矯正の登場で、矯正期間中の外見にコンプレックスを持つ必要はなくなりました。裏側にあるブラケットが、正面から見えてしまう心配はありません。しかし、代わりに現れた問題が「発音しづらく、滑舌が悪化する」というものでした。歯の裏側にあるブラケットが舌にぶつかり、舌の動きが制限されるからです。

ふだんは意識していませんが、言葉を発するとき、私たちは「舌・歯・唇」などを複雑に動かしています。舌の動きが制限されることは、確かに滑舌にネガティブな影響を与えることでしょう。

1-1 裏側矯正の影響を受けやすい「音」とは?

裏側矯正によって主に阻害されるのは、「舌を前歯の裏に接触させる動き」「舌を前歯の裏に接近させる動き」の2つです。そのため、これらの動きを要する音声は、発音しにくくなります。日本語で該当するのは、「サ行」「ザ行」「タ行」「ダ行」「ナ行」「ラ行」の音です。

「サ行」の音声

音声学では「無声歯茎摩擦音(むせいしけいまさつおん)」と呼びます。「舌の先端」と「前歯の歯茎」で空気を摩擦して発声しています。「舌と前歯の間」にブラケットが入ることで、発音が難しくなります。ただし、「シ」だけは「無声後部歯茎摩擦音(むせいこうぶしけいまさつおん)」なので、あまり発音に困難は感じません。

「ザ行」の音声

音声学では「有声歯茎摩擦音(ゆうせいしけいまさつおん)」と呼びます。発声法は「サ行」と同じですが、「ザ行」は声帯を震わせて音を出します。こちらも、裏側矯正のブラケットが発生の障害になることがあります。ただし、「ジ」だけは「有声後部歯茎摩擦音(ゆうせいこうぶしけいまさつおん)」なので、あまり発音に困難を感じることはありません。

「タ行」の音声

音声学では「無声歯茎破裂音(むせいしけいはれつおん)」と呼びます。「舌の先端」と「前歯の歯茎」で空気を閉鎖し、一気に開放することで音を出します。ブラケットが邪魔になり、空気を閉鎖しきれなくなるので発音に困難を感じることが多いです。ただし、「チ」は「無声後部歯茎破擦音(むせいこうぶしけいはさつおん)」なので発音に困難を感じることはありません。「ツ」は「無声歯茎破擦音(むせいしけいはさつおん)」であり、舌の動きが制限されていると、やや発音が難しくなります。

「ダ行」の音声

音声学では「有声歯茎破裂音(ゆうせいしけいはれつおん)」と呼びます。発声法は「タ行」と変わりませんが、「ダ行」は声帯を震わせる有声音です。やはり、「舌の先端」で空気を閉鎖しきれないので、発音しにくくなります。「タ行」と同じく、「ヂ」と「ヅ」は例外です。ただし、「ダ行」の場合、音は「ザ行」と同一になります。「ヂ」は発音しやすく、「ヅ」はやや困難です。

「ナ行」の音声

音声学では「歯茎鼻音(しけいびおん)」と呼びます。「舌の先端」と「前歯の歯茎」で空気を閉鎖し、呼気を鼻にも通すことで発音する有声音です。裏側矯正のブラケットが邪魔になり、空気を閉鎖しにくくなるので、発音が難しくなります。

「ラ行」の音声

日本語の「ラ行」は「どの音のあとに発音するか」「話者の癖」によって、発声方法が変化する傾向があります。「ラ行」の音を「歯茎側面はじき音」「歯茎はじき音」など、「舌の先端」と「前歯の歯茎」で発音するとき、裏側矯正のブラケットが邪魔になります。

1-2 裏側矯正中の滑舌はどうなる?

一般的に「『サ』が『シャ』になる」「『ナ』が『ニャ』になる」など、「前歯の歯茎で出すべき音を、後部歯茎で出してしまう状態」になることが多いです。「小さい『ヤ』」が入る音を「拗音」といいますが、この拗音が目立つようになります。

とはいえ、人間には適応力がありますから、だんだんと「矯正器具をつけたまま正しく発音する方法」が身につきます。おおよそ3~4週間で発音の困難さは解消されるようです。しかしながら、矯正装置がついていないときと同じ状態にはなりませんから、「多少、滑舌の悪さが残る状態」になります。

2.滑舌が悪くならない裏側矯正はある?

世の中は、「しばらくの間、少し滑舌が悪くなるだけなら…」と受け入れられる人ばかりではありません。「受付」「電話対応」「営業」など、正確な発音が求められる職種に就いている人もいます。

しかし、それほど心配はいりません。近年、「ブラケットを薄型化・小型化することで、滑舌への影響を最小限にとどめた裏側矯正」が出てきているからです。

2-1 インコグニート(Incognito)

患者さん1人ひとりの歯の形状に合わせて、矯正装置を作製します。普通、前歯の裏側は、少しへこんだ形をしています。へこんだ部分にジャストフィットするので、あまりブラケットの厚みを感じません。結果、滑舌への悪影響が少なくなります。

2-2 クリッピーL

ブラケットを小型化しているので、違和感が小さくなります。当然ながら、ブラケットが小さければ小さいほど、滑舌への影響も少なくなります。また、過度な力がかからない構造になっているので、矯正中の痛みが少ないのも魅力です。

2-3 stbライトリンガルシステム

一般的なブラケットの半分くらいの大きさになっています。また、ブラケットが丸みを帯びているので、あまり舌に引っかかる感じがありません。舌の動きを制限しにくいので、滑舌への影響が抑えられます。

3.まとめ

小型の矯正装置が増えたことで、裏側矯正による滑舌への影響は小さくなりました。しかし、「影響がまったくない」というわけではありませんから、「人前で話す仕事」をしている場合は慎重な検討を要します。「職業上の都合」についても歯科医師に相談し、自分に合った矯正方法を見つけてください。

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