「正しく恐れるべき!」新型コロナウイルス感染症に対する“7つの約束”を発表

    「正しく恐れるべき!」新型コロナウイルス感染症に対する“7つの約束”を発表

    2月10日、都内の某会議室にて「新型コロナウイルス感染症対策の緊急提言」が発表された。

    会議には、「STOP感染症2020戦略会議」から座長である東北医科薬科大学・医学部感染症学教室・賀来満夫教授をはじめ、聖マリアンナ医科大学・感染症学講座・國島広之教授、レジリエンスジャパン推進協議会から金谷年展氏が登壇。

    新型コロナウイルス感染症について、感染症、災害医療、公衆衛生、医学、歯学、薬学、看護学など、各分野の専門的な目線から、国民に向けてメッセージが発信させられた。

    この記事の目次

    感染症は一種の災害!正しい知識と予防が重要

    賀来満夫教授

    新型コロナウイルス感染症について、さまざまな情報が多様なルートで飛び交っていることに対して賀来教授は「混乱状態にある新型ウイルスですが、正しく理解して、正しく伝えて、正しく恐れるべきです」と提案した。

    また、賀来教授は感染症というものに対して「これは一種の災害です」と述べ、「いつ国内で新しい患者さんが出てきても不思議ではないという意識を持ったうえで、予防に取り組むことが大切です」と語る。

    さらに、分かりやすいメッセージに整理して、国民に正しい情報を伝えるために“7つの約束”が公開された。

    STOP感染症・7つの約束

    約束1.正しく恐れる

    正しく恐れるとは、ウイルス感染はいつでも、どこでも起こりうるという意識を持ち、正しい知識のもとで的確な行動を取ること。

    新型肺炎に関する“さまざまな情報に過剰に反応してしまう”ことではなく、“全く無関心になってしまい対策をしない”ということでもない

    約束2.ウイルスや菌の顔と性格を知る

    ウイルスの感染経路には、①飛沫(ひまつ)感染、②接触感染、③空気感染、④経口感染、⑤蚊媒介などがある。

    新型コロナウイルスのような、まだワクチンのできていない感染症の拡大を防ぐためには感染経路を断つことが重要。

    新型コロナウイルスの場合、90%以上が①飛沫感染、②接触感染なため、それを防ぐことで、体内にウイルスが入らないようにし、ほかの人にうつさないようにできる。

    約束3.STOP感染「新生活習慣」をつくる

    マスクに依存するのではなく、有効な使い方・効果を理解する。また、正しい手洗いとともに、手を洗えないときにも使える除菌を目的としたウェットティッシュを携帯するのも大切

    さらに、多くの人が手を触れる場所の除菌や、空気中のウイルスや菌を減らすための換気、空気清浄機の活用も重要になる。

    ほかにも、免疫力を向上させる食品の摂取、口腔ケアも感染症予防につながることが明らかになっている。

    約束4.最新の対策技術にも目を向け情報収集する

    空気清浄機や換気システムの製品に、ウイルス感染予防になるものも出てきている

    しかし、消費者がどの製品がどんなウイルスに作用するのかなど、正確な情報を得られるような仕組みづくりが必要になってくる。

    約束5.喉元過ぎても熱さを忘れない

    新型肺炎が収まっても、感染症への関心が薄れないようにすることが大切

    なぜならば海外ではインフルエンザのほか、デング熱、麻疹、風疹、髄膜炎菌感染症など、数多くの感染症が猛威を振るっているからである。

    約束6.新型肺炎以外の感染症にも目を向ける

    新型コロナウイルスへの関心をきっかけに、感染リスクの高いさまざまな感染症についても正しい知識をつけることが大切。

    近年の地震や台風、洪水などの自然災害が重なると、感染症の拡大に影響してくる。

    約束7.防災用品だけでなく、感染症対策用品も備蓄を!

    具体的にはマスク、消毒剤、石鹸、口腔ケア用品、除菌クロスなど。感染症も自然災害と同じように考え、備蓄しておくことで品不足で困るということもない。

    そのためには「感染症備蓄」という新しい考え方を持つことが大切である。

    「STOP感染症2020戦略会議」とは

    「STOP感染症2020戦略会議」とは、国土強靱化の観点から地震や台風、水害など災害発生時の感染症対策や平時からの備えを検討して、政府などに政策提案を行うことを目的として発足。

    東京オリンピック・パラリンピックを目前に、感染症の脅威を未然に防ぐため、専門有識者の正しい情報を、一般の市民の方々に伝えるため開催している。

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

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