歯周病

歯周病はうつる?生活圏内にひそむ歯周病の危険と対策方法!

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最近コマーシャルなどメディアで「歯周病」という言葉をよく耳にします。歯周病とは、歯の病気ではありますが身体にまで悪影響をおよぼす恐ろしい病気です。

「歯周病はうつる?」といった疑問を持つ方々も多いと思います。実は、歯周病自体はうつりませんが歯周病を引き起こす原因の「細菌」は、人から人へ感染します。

歯周病の初期症状は自覚症状がなく、気づかないうちに進行しているケースが多く、気づいたときには歯が抜けてしまった!ということもあります。今回は生活の中に潜む歯周病について予防方法や治療方法をお伝えします。

1.歯周病の細菌がうつる原因は“人から人”

歯周病の細菌は何気ない生活の中でひょんなことから、人から人へ感染してしまいます。この章では、「感染をひき起こす生活習慣」と「歯周病は遺伝するのか」についてお伝えします。

1-1 何気ない生活の中で潜む歯周病の危険

歯周病に感染するケースについては、愛する恋人や愛する我が子とキスをしたり、生活の中で何気なく飲み物や食事をシェアしたりすることで、細菌は次から次へとうつっていきます。

ただし、歯周病の細菌自体の感染力はそこまで強くはなく、キスした相手が歯周病の方でも、自分自身が健康的で免疫力があれば、細菌から身を守ることができます。

1-2 歯周病は遺伝するのか

「歯周病は遺伝するの?」「わが子も歯周病になってしまうのか。」と不安を感じている方も多いと思いますが、歯周病自体は遺伝することはありません。

ただし、“歯周病になりやすい要因”は遺伝します。例えば、細菌に対する免疫力・抵抗力が弱い体質や歯垢がつきやすい歯並びなどは遺伝しやすいのです。なので、自分自身が歯周病の場合は子供の口内チェックをしっかりと行ってあげましょう。

【小さなお子様を歯周病から守りましょう】
お子様を歯周病から守るためには、親御さんの口内を清潔に保つことと、お子様自身の口内を清潔に保つことが大切です。歯磨きの習慣化と親御さんが仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。

2.あなたはどのレベル?歯周病チェック!

歯周病は気づかずに放置していると、どんどん進行していく恐ろしい病気です。この章では、歯周病症状の段階を記載しています。自分自身が歯周病の恐れがないかチェックしてみてください。

2-1 油断しないで!歯周病の3つの危険信号 -初期-

歯周病の初期症状を見落とさないでください。歯周病は痛みを感じる頃には進行しています。なによりも早期発見・早期治療が自分自身のお口の健康を守ることにつながります。歯周病の初期症状は下記の3点です。

・歯磨きの際の出血
・歯茎が腫れる
・歯茎の変色

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2-2歯周病が進行すると恐ろしいことに! -中期-

歯周病の症状も中期になると、自覚症状が出てきます。
歯と歯肉の間の溝に歯石が埋まっている状態で、そこを住処にしようと歯周病菌が弱っている歯肉を攻撃することにより、炎症が起きてしまうのです。歯周病中期の症状は下記の3点になります。

・歯磨きの際の出血が増え、膿まで出てくる
・歯がグラグラする
・歯茎が下がりはじめる

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2-3今すぐ歯医者さんへ! -重度-

重度の歯周病症状では、柔らかい食べ物でさえ噛むと痛みを感じ、放っておくと自然と歯が抜け落ちてしまいます。症状によっては手術が必要な場合もあります。重度の歯周病症状は下記の4点です。

・口臭を指摘されるようになる
・歯茎がブヨブヨ
・歯の痛みが強い
・歯がしみる

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歯周病は自覚症状がないため、早期発見が一番の予防方法でもあり治療方法でもあります。一つでも当てはまる項目があった場合は、念のために歯医者さんへ診てもらいましょう。

3.歯周病の原因はプラークと生活習慣

しっかりと歯磨きもしているのに、なぜ歯周病になってしまうのでしょうか。その原因はプラークにあります。プラークとは細菌の塊で、プラーク1㎎の中には約10億の細菌が存在すると言われています。そのプラークを放っておくとどうなってしまうのか、その他なにが原因で歯周病になってしまうのか、その対策方法についてお伝えします。

3-1 磨き残しが原因!正しい歯磨きで対策を!

歯磨きをおろそかにし、磨き落としがあると細菌がその食べかすなどを餌として繁殖しプラークが出来てしまいます。

対策
歯垢は丁寧に歯磨きを行うことで落とすことができます。正しい歯磨きの仕方を身につけましょう。

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正しい磨き方は、内側(歯の裏)を磨くときは、歯に対して45度にして軽い力で磨きましょう。外側(歯の表)を磨くときは、歯に対して90度にして小刻みに動かしてあげましょう。

3-2 喫煙は歯周病菌にとっては美味しいおかず

煙草には有害の物質が200~300ほど含まれているといわれていて、その物質は細菌には美味しいおかずです。喫煙が歯周病を引き起こす4つの原因があります。

①煙草のタールが歯に付着するとプラークがつきやすくなる
②喫煙により唾液の分泌量が減り口の中が乾燥することで再石灰化が抑制される
③ニコチンが血管を収縮させることで酸素や栄養の供給が足りない
④ニコチンが免疫細胞の機能を抑制し抵抗力がおちる

対策
煙草を吸い続けると、メラニンの沈着により歯茎が変色したり、歯茎の腫れや歯磨きの際の出血量が少なく歯周病に気付かずに、知らない間に歯周病が進行していきます。

歯周病予防や治療において、煙草の吸い方が非常に重要で、できれば禁煙するのが一番でしょう。

3-3 食生活を見直して!歯周病と糖の関係

歯周病と糖は深く関係しているといわれています。糖分は細菌にとってのエネルギー源になります。

対策
糖分の摂取量を制限し、食物繊維を多く含む野菜やビタミンA・C・Dを多く含む果物を取るようにしましょう。バランスの良い食事を心がけ、抵抗力を高めることで、歯と歯茎を強くしましょう。

また、食事を摂る際はよく噛むことを心がけましょう。噛むことで唾液の分泌量が増え、お口の菌を洗い流すことにつながります。

【糖尿病と歯周病の関係】
糖尿病にかかると抵抗力が下がり、様々な合併症を引き起こします。その一つに歯周病も入っています。糖分の摂り方、摂取量に気をつけましょう。

3-4 ストレス・疲れからくるお口への負担

ストレスや疲れが溜まると、唾液の分泌量が減少し歯周病を引き起こしやすくなります。また、ストレスは歯ぎしりも引き起こします。

歯ぎしりは歯と歯肉の歯周組織に圧力を与えてしまい、炎症が起きやすくなります。歯の骨(歯槽骨)にも負担がかかり、歯槽骨が破壊してしまうこともあるのです。

対策
実は唾液は働き者で、食べ物を消化する力と身体に悪いものを排除する免疫物質が含まれていて、歯周病になるリスクを減らしてくれます。

ストレスは身体にもお口の健康にも悪影響を与えるので、日々のストレスをためずにしっかりと発散するようにしましょう。

3-5 歯並びが悪いと歯周病菌を除去しきれない

歯並びが悪いと磨き残しが増え、歯垢を落としきれずに菌を繁殖させてしまいます。

対策
磨きづらい歯並びの場合は、念入りに歯磨きを行うようにしましょう。また、あまりにもひどい場合には、矯正等も考えてみてもいいでしょう。

4.歯周病になったら歯医者さんへ

治療が必要な場合は今すぐ歯医者さんへ見てもらいましょう。歯周病の症状は、歯石除去をすればいい軽い症状から手術までしなくてはならない重度な症状まであり、治療の幅が非常に大きいのです。歯医者さんへ行って自分の症状を把握し、適切な治療を施してもらいましょう。

4-1 幅広い歯周病治療

歯石取り(スケーリング)

歯石とは、歯垢が固まってできたものです。歯垢までは歯磨きで落とすことが可能ですが、歯石になってしまうと歯磨きでは落とせません。歯医者さんへ行き歯石除去をしてもらいましょう。

※歯石除去の流れになります

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ルートプレーニング      

ルートプレーニングとは、歯茎の内部に入り込んだ歯石を除去する方法です。スケーリングでは除去できなかった歯石を取り除く方法です。

歯周組織再生療法

軽度の歯周病症状であれば、口内を清潔に保つことで症状も良くなっていきますが、重度の歯周病症状になると抜歯が必要となります。

歯周病組織再生療法とは、歯周病で失った歯周組織の再生を誘導させることで、抜歯をせずにすむ治療方法です。

・GTR法

歯肉を切開し溜まったプラークを除去します。そのまま放置していると、歯肉が空洞を覆ってしまうので、人工膜で歯周組織が再生するスペースを保護します。数ヶ月たつと歯周組織が再生されていき、再生が完了したら人工膜を除去します。

・エムドゲイン(R)療法

エムドゲインとは歯周組織再生誘導材料で、エムドゲインの主成分は歯が生えてくるときに機能するタンパク質の一種です。歯肉を切開しエムドゲインを塗布することで歯が生えるときの環境をつくり、歯周組織の再生をはかります。

エムドゲイン(R)療法を行う際は、歯周外科での治療になります。

4-2 歯周病治療にかかる費用

歯周病と判断された場合は、保険が適用されます。1回の治療においてかかる費用は約3,500円程度になります。歯周病症状に合わせた治療方法になるので費用はそれぞれ異なります。歯医者さんとよく相談して下さい。

5.まとめ

歯周病は恐ろしい病気です。自覚症状がなく気づかないうちに歯周病が進行し、気づいたときには手遅れ…ということもあります。歯周病を引き起こす細菌は、日々の生活習慣の中で感染し、増殖していきます。

ですが、しっかりと予防対策をしておけば、菌の働きを抑えることもできます。歯周病という病気のことや自分のお口の状態を知ることで、自分自身や子供を歯周病から守ることができます。

また、早期発見・早期治療につながっていきます。まずは、歯医者さんへ行き、お口の健康状態を診察してもらいましょう。