あなたらしさを輝かせる、ガミースマイルの治療法と費用

あなたらしさを輝かせる、ガミースマイルの治療法と費用

「人前で笑うと、歯茎が見えるのが気になる」。笑うと歯茎が露出して見えてしまうことを「ガミースマイル」と言います。それがコンプレックスになって、うまく笑顔をつくれなかったり、笑ったときに手で口元を隠してしまったりする人は少なくありません。

あまり広く知られてはいませんが、このガミースマイルは歯列矯正や外科施術で治療することができます。

この記事では、ガミースマイルの治療法や費用、リスクなど気になるポイントをそれぞれ紹介していきます。自分にぴったりの治療法を見つけることで、笑顔に自信を持つことができるはずです。

この記事の目次

1.ガミースマイルの治療法

ガミースマイルとは、上唇と歯茎の接合部が長いことが原因で、笑ったときに上唇が過剰に上がってしまうことです。この上唇が上がりすぎないようにするために下記のような3つの治療法があります。

  • 上顎と上の歯の矯正
  • ボトックスと呼ばれる薬の注入
  • 上唇と歯茎の間隔を狭める手術

1-1 矯正によるガミースマイルの治療

ガミースマイルを歯科で相談した場合の一つに矯正での治療法があります。たとえば、上顎の前歯が前方に向かって突出している場合や、大きく歯並びが乱れている場合などに上唇が上がりすぎてしまって、ガミースマイルを引き起こします。こうした場合には「歯列矯正」を行うことで歯並びを整え、結果としてガミースマイルも治る可能性があります。

メリット

唇を施術する必要がありません。また、顎変形症(がくへんけいしょう)や唇顎口蓋裂(こうしんこうがいれつ)などの先天性疾患がある場合や、医院によっては保険適用される場合があることも大きなメリットです。

デメリット

装置を装着する場合があるため、金属製だと歯が見えた場合に目立ってしまいます。しかし最近では、針金や留め具が見えづらいものなども出ており、必ずしも金属製の装置とは限りません。

また、抜歯などの手術が必要な場合とそうでない場合がありますが、いずれも共通しているのは、矯正をすると一定の時間がかかってしまうことです。完了するまでの期間も長くなる上に、一ヶ月おきなど定期的に歯科に行く必要があるので、ある程度の時間がとられてしまいます。

1-2 ガミースマイルを薬の注入で治す

ボトックスと呼ばれる薬を注入する方法です。上唇の上下を制御している筋肉にボトックスを注入し、ガミースマイルの原因となる上唇の挙動に影響を与え、歯ぐきの見えすぎを防ぐというものです。ボトックス以外にはヒアルロン酸を注入する場合もあり、この場合でも痛みが少ないように医師が工夫を凝らしてくれます。

メリット

注入後に生活に支障を与えることもなく、痛み、腫れ、副作用がないのが第一の魅力です。周囲の人にも気づかれずに済みます。注入に使用されるボトックスなどは、そのほかの治療にも使用されています。また、約10日から2週間程度で変化が現れるのも大きなメリットです。

デメリット

一度注入したらずっと効果が持続するわけではなく、4~6ヶ月程度で元に戻ってしまいます。そのため、定期的に注入する必要があります。

1-3 ガミースマイルを手術で治す

手術では、骨を削る方法、上唇と歯茎の間隔を狭くする方法、唇を薄くする方法など、さまざまな方法があります。例として、上唇と歯ぐきの間隔を狭める方法では、歯茎の縁を切開し、上唇との間の粘膜を摘除、前唇粘膜を少し剥離して縫合するという方法をとります。

このほかにも、厚すぎる唇を薄くするために唇から余分な組織を取り除き、形を整える方法などもあります。医院によってさまざまな方法がありますので、事前に調べておきましょう。

メリット

注入する方法と違い、一度の手術で終わり、外見からは傷がわかりません。注入法のように効果が減退しないことや、矯正のように長期間を要さないことも大きなメリットです。

デメリット

手術によっては術後に数日間、腫れてしまうこともあり、日常生活に多少影響を与える場合もあります。

2.ガミースマイルの治療費と治療期間

ガミースマイルの治療において、やはり気になるのは治療費です。歯科や形成外科というのは、保険が適用されない場合もあるので注意が必要です。また、1年に10万円以上医療費がかかった場合には医療費控除の対象となりますので、一回の治療だけでなく年間での支出額をあらかじめ確認するといいでしょう。支払い方法は医院によって異なるので、病院選びも重要になってくるかもしれません。

2-1 矯正での治療

治療費:50~95万円程度

治療期間:成人の場合、約2~3年

かかる費用は高くなりますが、噛み合わせや歯並びが整い、口腔内全体の治療を同時に行えます。

2-2 ボトックスなどの注入法 

治療費:1回4万から6万円程度/4カ月ごとに2年間通った場合:24万円

治療期間:4~6カ月ごとに注入

1回あたりでは安くなりますが、注入をしないと元に戻ってしまうため、長期的に費用がかかります。

2-3 形成外科での唇の手術

治療費:30万円程度

治療期間:1日

一度の手術で終了し、あとは前後のケアのみとなります。治療後の数日間は患部付近が腫れたり、病院によっては圧迫固定したりするので、その期間を治療期間として含めると約4日程度かかります。

3.ガミースマイルの治療のリスク

ガミースマイルの治療に共通していえることは、治療のリスクが低いことです。口周りは目につきやすい場所ですから、治療の際は副作用や生活への影響を考えておきたいものです。それぞれの治療法について、リスクの面から確認してみましょう。

3-1 矯正歯科

矯正をする場合、メスや注射を使うことがないため治療法そのもののリスクは低いといえます。ただし矯正自体は、噛み合わせや歯並びなど、ガミースマイルの治療だけを目的としません。

そのため効果の現れ方は個人差があり、形成外科に比べて時間がかかるのが実情です。しかし、見た目だけでなく歯や口腔(こうこう)全体から治療することができるため、「笑顔に自信がない」という問題を解消するには向いているでしょう。

3-2 注入法、手術などの整形外科

整形外科などでの注入による治療は先述した通りボトックスなどを使用しますが、この「ボトックス」という成分は1997年4月から厚生労働省の認可を受けています。

また、痛みも少ない方法で、注射跡や内出血などが残る場合もありますが、基本は数日間で修復します。

メスを入れる手術の場合、麻酔を使用するため痛みは感じにくいですが、万が一痛む場合には痛み止めの薬を処方してもらえます。

術後は抗生物質などを処方されるため、感染症などの心配もほとんどありません。さらには手術跡も目立ちにくいです。

4.まとめ

ガミースマイルのせいでストレスとなり、思うままに笑えない方も多くいます。しかし、ここで挙げたようにガミースマイルには治療法があります。

特に、ガミースマイルだけでなく歯並びも気になっている方は、歯列矯正を考えてみてはいかがでしょうか。一度医師に相談し、ご自身にあった治療法を選択してみてください。

経歴

2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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